山手線、24日まで一部運休 渋谷駅工事で池袋―大崎間
JR渋谷駅で23日未明、山手線内回りのホームを拡幅するため線路を切り替える工事が始まった。23日始発から24日終電まで、渋谷を挟む内回りの池袋―大崎間を運休する。JR東日本によると、線路切り替えに伴う山手線の運転見合わせでは同社発足後最長。計54万人に影響する見込みで、新型コロナウイルス禍前の利用状況で推計すると86万5千人に上る。
JR東は23日午前、工事現場を報道陣に公開。隣の線路を電車が行き交う中、作業員が掛け声を合わせてレールを動かすなどしていた。
JR東によると、工事後はホーム幅が約5メートル広くなる。さらに今後、外回りの線路切り替えとホームの再拡幅工事を予定。完了すれば、現在は2つに分かれている外回りと内回りのホームが一体化する。電車を乗り降りする人の混雑緩和や乗り換えの利便性向上につながるとしている。
今回の工事中、内回りは大崎―東京―池袋間のみ運行。本数を約3割に減らし、日中は約10分に1本の間隔で運転する。外回りの運休区間はないが、大崎―渋谷―池袋間で本数を約6割にする。
対策として、池袋や新宿、渋谷、恵比寿、大崎に停車する埼京線・りんかい線の赤羽―新木場間を増発するほか、貨物線を使って新宿―品川間で渋谷、恵比寿に止まる臨時列車を走らせる。地下鉄や私鉄への振り替え輸送の利用も呼び掛けている。25日は始発から平常通り運転する予定。
渋谷駅には23日朝から買い物客らが続々と訪れた。改札前には「内回り閉鎖中」と張り紙がされていたが、大きな混乱はなかった。
専門学校に通うため、山手線外回りを利用して訪れた神奈川県小田原市の男性(59)は「事前に電車の中づり広告で知っていた。帰りは別の路線を利用できるし、特に不自由ではない。より使いやすい駅になればうれしい」と話した。東京都稲城市から友人に会いに来た大学生の女性(22)は「乗り換えに慣れない人で駅が混み合わないだろうか」と気にしていた。
取材に応じたJR東の建設工事部の芹沢卓哉課長は「工事を安全に進め、25日朝には広くなったホームをご利用いただきたい」と話した。〔共同〕