日本人最高位・反田さん「本当に信じられない」…ショパン国際ピアノコンクール

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 【ワルシャワ=石崎伸生】21日に結果が発表されたショパン国際ピアノ・コンクールで、東京都出身の 反田そりた 恭平さん(27)が2位、山口県出身の小林 愛実あいみ さん(26)が4位に入賞した。1位はカナダのブルース・リュウさん(24)だった。反田さんの2位は、1970年の内田光子さんと並ぶ、日本人最高位。

18日の本選で演奏する反田恭平さん(W・グジェジンスキー/フレデリック・ショパン研究所提供)
18日の本選で演奏する反田恭平さん(W・グジェジンスキー/フレデリック・ショパン研究所提供)

 快挙を達成した反田さんは、現地時間の同日未明に結果が発表された後、「本当に信じられない」と興奮気味に話した。オーケストラと共演した本選の「ピアノ協奏曲第1番」について、「最高の瞬間だった」と振り返り、「ショパンの魅力や伝統を教えられる人間になれたらいいと心の底から強く思っている」と抱負を語った。

 小林さんは、前回2015年に続く2度目の挑戦で、4位入賞を果たした。本選では、反田さんと同じ曲を弾き、「自分の思う音楽をぶれずに演奏するのが目標だった。それができたことは意味があった」と話した。

20日の本選で演奏する小林愛実さん(W・グジェジンスキー/フレデリック・ショパン研究所提供)
20日の本選で演奏する小林愛実さん(W・グジェジンスキー/フレデリック・ショパン研究所提供)

 前回に続いて審査員を務めたピアニストの海老彰子さん(68)は、「参加者たちのレベルは非常に高く、本選でも一人ひとり丁寧に議論した」と、上位入賞者の実力は僅差だったと強調する。

 その上で反田さんについて、「予選を含む4回の演奏の中で、本選の協奏曲が一番良かった。音楽のスケールが大きく、今後も視野の広い活動を続けてもらいたい」と話した。小林さんについては、「6年前の前回よりずっと深い芸術性があり、感銘を受けた。天性の明るさや躍動感をさらに磨いてほしい」とエールを送った。

 反田さんは、人気ピアニストとして世界的に活躍するかたわら、ワルシャワの国立ショパン音楽大学で学んでいる。小林さんは9歳で国際デビューを果たし、現在は米国フィラデルフィアのカーティス音楽院に在籍している。

 反田さんを10代の頃から応援している、ピアノ・プロデューサーの高木裕さん(68)は、「出場者の中でオーケストラとの共演経験が一番豊富だったのが結果につながった」と語った。

 小林さんの恩師でカーティス音楽院教授のマンチェ・リュウさんは、「彼女の音楽は有機的、自発的で、聴衆に洗練された感情を伝えることができる。今後も自己探究を続けてほしい」とコメントを寄せた。

 ◆ ショパン国際ピアノ・コンクール= ワルシャワで開かれる世界最高峰のピアノ・コンクール。1927年に第1回が開かれ、第2次世界大戦後は原則5年ごとに開催。マウリツィオ・ポリーニさんやマルタ・アルゲリッチさんら世界的ピアニストを輩出してきた。日本人ではこれまで、内田光子さん、小山実稚恵さん、横山幸雄さんらが入賞した。

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2461682 0 エンタメ・文化 2021/10/22 01:30:00 2021/10/22 01:30:00 2021/10/22 01:30:00 https://www.yomiuri.co.jp/media/2021/10/20211021-OYT1I50096-T.jpg?type=thumbnail

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