NYダウ反落で始まる IBM大幅安が重荷
【NQNニューヨーク=川内資子】21日の米株式相場でダウ工業株30種平均は3営業日ぶりに反落して始まり、午前9時45分現在は前日比91ドル52セント安の3万5517ドル82セントで推移している。前日夕に発表した決算を受けてIBMが大きく下げ、ダウ平均の重荷となっている。米主要企業の決算への期待は強いが、ダウ平均が前日に一時最高値を上回った後で目先の利益を確定する目的の売りも出やすい。
中国不動産大手、中国恒大集団を巡る不透明感も投資家心理に影を落とした。傘下企業の売却交渉が行き詰まったと伝わり、必要な資金が確保できずドル建て社債が23日にもデフォルト(債務不履行)に陥るとの懸念が高まっている。
前日夕に発表した2021年7~9月期決算で売上高が市場予想に届かなかったIT(情報技術)のIBMが7%下落し、1銘柄でダウ平均を60ドル程度押し下げている。クレジットカードのビザや建機のキャタピラーが下落。原油安を受けて石油のシェブロンも売られた。
一方、決算が市場予想を上回る増収増益だった化学のダウが小幅に上昇。映画・娯楽のウォルト・ディズニーや航空機のボーイングも高い。
21日朝の米債券市場で長期金利は一時1・68%と5月以来の水準に上昇したが、米株相場の反応は限られている。
ハイテク株の比率が高いナスダック総合株価指数は小反発し、前日比16・792ポイント高の1万5138・470で推移している。前日夕に発表した決算で売上高や純利益が四半期として過去最高となった電気自動車のテスラは上昇して始まった。