[衆院選2021]序盤情勢 近畿(小選挙区・比例)

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滋賀:上野と田島 横一線…2区

 1区は、大岡と斎藤が一歩も譲らない展開。大岡はコロナ禍でもオンライン集会を重ね、若年層への浸透を図る。斎藤は、川端達夫元衆院副議長の地盤を引き継いだ。川端の出身母体の労組などへの浸透を目指す。

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 2区は、上野と田島が横一線の戦い。過去3回戦った両者の一騎打ちは初めて。上野は道路整備などの実績を強調し、自民支持層の9割弱を固めた。田島は連合や市民団体の支援を受ける。無党派層の動向がカギを握る。

 3区は、4選を目指す武村が戦いを優位に進める。ワクチン接種など与党の実績をアピールし、幅広い年代の支持を得た。野党3党から候補が立ち、政権批判票の分散が予想される中、直山は知名度向上を目指す。

 4区は、小寺と徳永が激しく競り合う。小寺は地元首長との連携を強調し、保守支持層を固める。元参院議員の徳永は前知事の嘉田由紀子参院議員の支援を受ける。立民支持層の9割を固め、維新支持層の4割も固めた。

京都:泉が抜け出す…3区

 1区は、勝目が先行し、穀田が追いかける展開。勝目は、引退した伊吹文明元衆院議長と二人三脚で活動し、自民、公明支持層を固めつつある。穀田は、共産支持層の9割をまとめ、立民支持層の取り込みも図る。

 2区は、前原が繁本に一歩リード。前原は街頭立ちを重ねて国民、立民両党の支持層をまとめ、自民支持層にも食い込む。前回衆院選で初当選した繁本は、6割強にとどまる自民支持層の積み増しがカギとなる。

 3区は、泉が頭ひとつ抜け出している。立民支持層をまとめたほか、自民支持層からも2割の支持を得た。木村は街頭演説に力を入れるが、無党派層の支持は伸び悩んでいる。

 4区は、田中と北神が横一線の戦い。田中は幅広い年代で支持を得つつ、自民、公明支持層の支持を固める。無所属の北神は連合の推薦を受ける。現実的な外交政策なども訴え、保守層の取り込みを図る。

 5区は、本田が有利な戦い。サラリーマンや専業主婦など幅広い層からの支持を集める。比例北陸信越から移った山本は、立民支持層の8割を固めたが、無党派層への広がりに欠け、知名度の向上が課題。

 6区は、山井が一歩リードする。自民前議員の不出馬で混戦模様となる中、前回比例復活の山井が立民、共産支持層の約9割を固め、無党派層へも浸透している。清水は医師としてコロナ対応の実績を強調する。6割にとどまる自民支持層の積み増しに懸命だ。

大阪:辻元・池下・大隈 三つどもえ…10区

 1区は、井上と大西が小差の競り合い。井上は維新支持層をほぼ固めた。大西は自民、公明支持層以外への浸透が課題となっている。

 2区は、左藤と守島が激しく競り合う。左藤は自民、公明支持層に浸透した。元大阪市議の守島は維新支持層をほぼ固め、街頭活動で無党派層への浸透を図る。尾辻は候補を擁立しなかった共産支持層の取り込みを図る。

 3区は、10選を目指す佐藤が優位に立つ。「大阪都構想」の住民投票で共に賛成を呼びかけた維新支持層の一部も取り込んだ。萩原は政権批判票の受け皿を狙う。

 4区は、美延が中山を一歩リード。美延は維新支持層を固め、自民支持層の一部を取り込む。中山は元防衛副大臣としてワクチン接種を進めた実績を訴え、支持拡大を狙う。

 5区は、国重が公明支持層をほぼ固め、戦いを優位に進める。宮本は立民支持層からも支持を集める。

 6区は、伊佐が戦いを優位に進めている。伊佐は一律10万円の定額給付金などの実績を訴え、公明支持層以外にも浸透した。村上は共産支持層にも支持を広げる。

 7区は、渡嘉敷と奥下が横一線の戦い。渡嘉敷は自民、公明支持層に加え、無党派層への浸透を図る。奥下は橋下徹・元大阪市長の特別秘書を務めた経験をアピールする。

 8区は、元府議として地元に浸透する漆間が優位に立つ。松井は立民、共産支持層以外の支持が課題。衆院解散後に出馬表明した高麗は自民支持層を固めきれていない。

 9区は、足立が先行し、原田が追う展開。足立は維新支持層をほぼ固め、原田は自民、公明支持層に浸透する。

 10区は、辻元、池下、大隈が三つどもえの戦いを繰り広げている。知名度の高い辻元は維新を除く野党支持層に加え、無党派層にも浸透。元府議の池下は自民支持層の一部も取り込む。大隈は自民支持層の票固めが課題となっている。

 11区は、中司、平野、佐藤が激しく競り合う。中司は維新支持層に加え、自民支持層の一部も取り込む。平野は立民支持層をほぼ固めた。佐藤は公明支持層への浸透が課題。

 12区は、藤田がややリードし北川が追い上げる。藤田は街頭活動に加え、SNSでの発信を強化し無党派層にも浸透した。北川は街頭活動を繰り返し、支持拡大を狙う。

 13区は、岩谷と宗清がしのぎを削る。岩谷は維新支持層をほぼ固めた。宗清は内閣府政務官の実績を訴え、自民、公明支持層に浸透。

 14区は、青柳が頭ひとつ抜け出している。維新支持層をほぼ固め、自民支持層の一部も取り込む。長尾は無党派層の取り込みが課題。

 15区は、浦野がリードする展開。維新支持層をほぼ固め、無党派層への支持拡大を図る。引退した竹本直一・元科学技術相の地盤を引き継いだ娘婿の加納は、自民、公明支持層を固めきれていない。

 16区は、北側と森山による接戦となっている。北側は自民支持層にも浸透している。森山は無党派層への支持拡大を狙う。

 17区は、馬場が安定した戦いを進めている。維新幹事長の馬場は維新支持層をほぼ固めた。岡下は自民支持層を固めきれていない。

 18区は、遠藤が優勢。遠藤は維新支持層をほぼ固め、無党派層の一部も取り込む。神谷は自民支持層を固めきれていない。

 19区は、伊東と谷川が激しく競り合う。11区から国替えした伊東は維新支持層を固めた。谷川は自民、公明支持層の支持固めが課題。

兵庫:山口が優勢…12区

 1区は、井坂と盛山が横一線の戦い。井坂は政権批判票の受け皿を担い、無党派層の4割も取り込んだ。岸田派に所属する盛山は、岸田首相との親密さをアピールするが、自民、公明支持層の支持固めが課題だ。

 2区は、9回目の当選を目指す赤羽がリードする展開。赤羽は前国土交通相としての実績を訴え、自民支持層の6割にも浸透する。前回選は無所属で出馬した船川は、立民入りし、政権批判票の取り込みを目指す。

 3区は、関が優位に立つ。関は地元議員の支援を取り付け、自民支持層の8割弱をまとめた。和田は県議の実績や党の改革姿勢を強調し、無党派層の取り込みを狙う。

 4区は、藤井が安定した戦いを進める。藤井はデジタル庁の初代副大臣を務めた実績をアピールし、自民支持層の約8割を固め、公明支持層にも浸透を広げる。今泉は子育て世代や市民目線の改革を訴え、支持拡大を図る。

 5区は、谷と梶原が激しく競り合う。元県連会長の谷は地元まわりを精力的に行い、自民支持層の7割超を固めた。梶原は野党支持層を着実に固めつつある。

 6区は、大串、市村、桜井が三つどもえの接戦。大串は地元議員や企業の支持を得て、自民支持層の7割強をまとめた。国政復帰を目指す市村は、維新支持層の8割弱を固めた。前回選で比例復活した桜井も立民支持層を中心に野党支持層に広がりを見せる。

 7区は、山田、三木、安田が競り合う展開。山田は地元行事にこまめに出席し票の掘り起こしを図るが、自民支持層の支持は7割にとどまる。三木は維新支持層の約8割に浸透した。安田も無党派層へのアピールに懸命だ。

 8区は、4選を目指す中野が安定感を増している。中野は強固な公明の支持基盤を背景に、政権支持層を手堅くまとめた。元地元市議の小村は無党派層の支持拡大が課題だ。

 9区は、安倍、菅内閣で経済再生相としてコロナ対策を担当した西村が戦いを優位に進めている。自民支持層の約9割をまとめたほか、幅広い世代に浸透している。福原は政権批判票を十分取り込めていない。

 10区は、10回目の当選を目指す渡海が優勢。渡海は後援会などの組織力を生かし、着実に地盤を固める。隠樹は政権批判層や無党派層の取り込みに躍起となっている。

 11区は、松本が安定感を増している。前回選で自民公認を得た松本は、自民支持層の8割弱をまとめ、無党派層にも支持を広げる。住吉は維新支持層への浸透を着実に図る。

 12区は、環境相の山口がリードする展開。こまめに集会を開いて自民支持層の約8割を固めた。池畑は維新支持層の約7割に浸透するが、無党派層からの支持は広がりを欠く。

奈良:馬淵と小林 競る…1区

 1区は、馬淵と小林が激しく競り合う。前回選で小林に敗れた馬淵は対話型の街頭演説を続けてきた。立民支持層の9割を固め、無党派層にも浸透する。小林は国土交通政務官を務めた実績を訴え、自民、公明支持層の票固めを急ぐ。いずれも前回選から1区に編入された生駒市での支持拡大を目指す。前川は維新支持層を固めきれていない。

 2区は、9選を目指す高市が安定した戦いを進める。自民総裁選への立候補で注目され、知名度がさらに高まった。後援会や地方議員らによる組織戦を展開し、幅広い年齢層で支持を集める。猪奥は立民支持層以外への浸透が課題で、街頭での活動を繰り返している。

 3区は、田野瀬が頭ひとつ抜け出している。田野瀬は緊急事態宣言下の東京・銀座のクラブに深夜まで滞在した問題で自民を離党したが、自民総務会長を務めた父・良太郎から受け継いだ後援会を生かした選挙戦を展開。西川は立民など野党支持層を固めきれていない。

和歌山:二階 支持広げる…3区

 1区は、岸本が戦いを優位に進めている。連合和歌山を支持基盤とし、強固な後援組織を生かした選挙戦を展開。野党支持層だけでなく自民、公明支持層や無党派層の一部も取り込んだ。門は国土交通政務官を務めた実績を訴えるが、自民、公明支持層を固めきれておらず、無党派層への浸透も課題だ。

 2区は、石田が優位に立つ。平日の朝夕に選挙区内の主要道路に立つなどアピールを重ねてきた。自民支持層をほぼ固めたほか、幅広い世代に浸透する。藤井は2019年の参院選に野党統一候補として出馬した経緯もあり、立民、共産支持層をほぼ固めた。政権批判を展開し、支持拡大を狙う。

 3区は、13選を目指す二階が安定した戦い。自民幹事長を5年間務めた実績と強固な後援会を武器に支持を広げる。自民支持層の8割、公明支持層の7割を固め、野党支持層の一部も取り込んだ。畑野は共産支持層をほぼ固めたが、無党派層からの支持は広がっていない。

比例(定数28):自民 9議席うかがう

 自民が8議席を確保し、9議席目を狙う展開となっている。大阪を中心に強固な地盤を誇る維新は、無党派層の約2割を取り込み、前回の2017年衆院選から3議席積み増して8議席に届きそうな勢いだ。

 立民は無党派層の2割弱から支持を集め、4議席を固めた。公明は4議席の確保を見込み、共産は3議席目を視野に入れる。国民は支持層を固めきれておらず、1議席にとどまる公算が大きい。

調査の方法

 10月19日から20日にかけて、各小選挙区で電話世論調査を実施した。コンピューターで無作為に作成した固定電話と携帯電話の番号を使い、調査員による調査と自動音声による調査を組み合わせて行った。計18万6863人が回答し、1選挙区あたりの回答数は平均647人。調査は日本経済新聞社と協力して実施した。両社で基礎データのみ共有し、集計、分析、記事作成は両社が独自に行った。調査実務は日経リサーチに委託した。

議席予測の方法

 小選挙区の予測は、過去の衆院選での調査結果と実際の得票率との関係から政党別の予測式を作成し、今回の調査で得た各候補者の数値をあてはめた。比例選では、衆院選と参院選での調査結果と、実際の選挙結果との関係などから予測式を作成。比例ブロックごとの各政党の予測得票数を算出した。その後、ドント方式で各政党の獲得予測議席を計算した。これらに全国の各本社、各支社、総支局などの取材情報を加味して総合的に判断した。

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2460464 0 衆院選 2021/10/21 11:25:00 2021/10/21 16:57:40

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