主張

サイバー攻撃 国際連携で中露の抑止を

中国やロシアなどがサイバー空間での無法な行為に関与することは許されない。国際連携を強化してサイバー空間の安全を守っていきたい。

日本や米国、欧州、オーストラリア、インド、韓国、イスラエルなどの約30カ国・地域が、サイバー攻撃対策を話し合う初の国際会議をオンラインで開いた。

開催を呼びかけた米国が、重要インフラ(社会資本)などを標的とした悪意あるサイバー活動に中露両国が関与しているとして是正を求めたのは当然だ。

会議では、コンピューターウイルスによって企業などのファイルを暗号化して使用不能にし、解除と引き換えに多額の身代金を要求する「ランサムウエア」攻撃への対処が議題となった。米国では今年5月、石油パイプラインなど基幹インフラが標的となった。

「ランサムウエア」攻撃による身代金支払いは昨年だけで世界で約450億円に上っている。

サイバー攻撃はそれにとどまらない。今年3月には、米マイクロソフトの企業向け電子メールソフトがサイバー攻撃され、米政府は実行犯のハッカー集団が中国の情報機関とつながりがあると発表した。ロシアは欧米諸国のサイバー空間で、フェイクニュースを流す選挙介入、世論介入を繰り返している。

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