役立つかわからないけどインパクト絶大。脳裏に焼き付いて離れないガジェット10選

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役立つかわからないけどインパクト絶大。脳裏に焼き付いて離れないガジェット10選
Image: Elena Scotti (Photos: Getty Images, Shutterstock, Amazon)

ハロウィン色に染まる秋。

一度見たら脳裏を離れず、「なんでこんなものが存在するのだ」「よく稟議通ったなあ」と一生悶々としそうなガジェットを集めてみました。

製品として存在するということは、開発を思いついた人がいて、それにOKを出した人がいて、役員から広報まで全チームが一丸となって世に出した製品なのだと思いますが、そのことがイメージできなくてしげしげと眺めてしまう傑作揃い。みなさまも頭の中がハテナでいっぱいになることでしょう。

(1)ツイートするためだけに生まれたハンドヘルド「Twitter Peek」

20211011Peek
Image: Amazon

まずはコレ。ツイートしかできない100ドル(約1万1400円)のTwitter Peekです。そうです。メールはおろか通話もWeb閲覧もできません。月額データ使用料たったの7ドル95セント(約900円)で常時ネットはONになって、いつでもつぶやける片手で持てる小型端末です。

今のスマートフォンではなつかしいQWERTY配列のキーボード。スマホも出はじめの頃は「物理キーボードがないと仕事にならないわー」ってBlackBerryやSidekickに流れる人が多くて、企業もモバイルがどっちに転がるか完全には読み切れていませんでしたよね。ドサクサに紛れて出た初代Peekなんかは「メールしかできない小型端末」だったけど物笑いの種になることもなくソコソコ売れたりして、買う側もスマホに月額接続使用料払うほどの価値があるかどうかがよくわかっていない混乱の時代がありました。

でもまあ、2009年を迎える頃には勝負はついていましたし、2匹目のどじょう狙いでPeekが出したTwitter用ハンドヘルドはボロカスに叩かれます。そりゃそうです。画面サイズわずか2.5インチで、ツイートの最初の20文字までしか表示されなくて、140文字まるまる読むには1件1件クリックしないとダメ。これにOK出したフォーカスグループはいったい何を考えていたんでしょう…。

(2)本物のビリヤード感が味わえるキュー用コントローラ「PoolShark」

20211011PoolShark
Image: Amazon
via Amazon

続きましてこちらはマウスとキューが融合した「PoolShark」。PCゲームでビリヤードが楽しめる幻のキュー用コントローラです。

「まるで本物のキューを操っているかのような打突感を忠実に再現」した製品として2000に発売されました。「単一のゲームのみならず、PC上のあらゆるビリヤードゲームに対応」する意欲作でもあります。

スクロールホイールは縦ではなく横方向に動き、上部のプラスチックのくぼみにキューを固定できるようになっています。付属のキュー(やや短めだけどPC周りの掃除が大変)のみならず、なんなら本物のビリヤードのキューでさらなるカオスを楽しむことも可能。マウスを動かすと角度が調整でき、スクロールホイールを動かすと球速が調整できます。実働シーンはこちら。

Video: LGR/YouTube

ゲーム周辺機器メーカーのInterAct AccessoriesとMiacometのコラボで生まれた製品で、両社はほかにもゴルフや釣り、レーザーの剣などのPCスポーツゲーム用コントローラをシリーズで発売する予定だったのですが、第1弾の「PoolShark」でコケてしまったため、残りの企画が日の目を見ることはありませんでした。「絶対売れる」という根拠のない自信に満ち溢れた逸品。

(3)身にまとうPC「POMA」

「Poma」のタグラインは「着るPC」。額にキーボードをまきつけて、ベルトにプロセッサ(メモリ容量32MB)をクリップで留めて、ヘッドマウントディスプレイ(Google Glassも吹き飛ぶ攻めたデザイン)を滑り込まるだけで、あなたもスタートレックの悪役フィギュアのような存在感を放つことができます。

気になるお値段1,499ドル(当時の換算レートで約18万円)。あと何年かで空飛ぶ車とロボット執事の未来がくると信じて疑わなかった2002年発売。日立製作所と、悲運をたどったザイブナー(Xybernaut)とのコラボ製品です。日立といえば、海外ではジェフ・ベゾスが宇宙に飛んだとき、「ベゾス、日立の巨大なディルドで宇宙に飛び立つ」というジョークが広まって、すっかりディルドの代名詞になっちゃってますが、COMDEXを沸かせた20年前の2001年11月の記事を読むとウェアラブル革命の熱気が今に蘇ります。Pomaは時代を先取りしすぎたフォアランナーでした。

(4)iPodを挿せるワイヤレスヘッドホン「mTune-N2」

20211011Macally
Image: Amazon

黄泉がえり特集みたいになってしまいましたが、こちらのMacallyはまだ健在で、Appleプロダクトの周辺機器を出し続けています。

そのMacallyが2006年に出した「mTUNE-N2」はiPod Nanoがすっぽり立つヘッドホンですよ。クリックホイールと画面にすぐ手が届くポジションを模索した結果、頭に横付けするアイディアに到達してしまったんでしょう。「雨のときは?」「すれちがいざま誰かにスワイプされたら?」と開発中だれも疑問に思わなかったのが不思議。

(5)リモキスマシン「Kissinger」

Video: Hooman Samani/YouTube

こちらは遠距離でもキスを投げ会える通信デバイス、その名も「キッシンジャー(Kissinger)」。シリコン製のくちびるの内部に高感度の感圧センサが埋め込まれていて、相手方にキスされるとポジションと圧力、形状、動きをそのままリアルタイムに再現してくれます。開発元のLovoticsではスマホにつないで通話やビデオチャットしながらキスできるバージョンも準備中。

こんなキスしかできないんじゃ世も末だな…とディストピアンな思いに駆られる反面、ニーズは確実にありそう。なんでも「人間対ロボット」のキスや「人間対仮想キャラクター」のキスもシミュレートできるらしくて、「ゲームをしながら憧れの劇中キャラとキス」もできるみたい…。やっぱり見なかったことにして燃やすしかないですね。

(6)パンに自撮りの焼き目をつけられる「Selfie Toaster」

Video: Cassie Slane/YouTube

「Selfie Toaster」はその名のとおりのトースターです。毎朝自分の顔の焼き目をつけたパンを食べて、栄養バランスと心を整えることができます。

こんな単純なアイディアなのに手続きは意外と面倒で、まず自撮りフォトをVermont Novelty Toaster Corpに送ると、担当デザイナーがフォトショップとプラズマカッターで金属の型をカスタムメード。それを装備した同社製トースターが返ってくるという流れになっています。家に1台置いておけば質問攻めに遭うこと必至ですね。1度に2枚焼けるので忙しい朝にもぴったりです。

(8)電動三編み機「Conair Quick Twist」

Video: QVCtv/YouTube

子どもの頃、コマーシャルでこれ見たときにはQVCブランドの拷問道具かと思いましたが、今見てもあんまり変わらないなあ…。「Conair Quick Twist」は「一瞬できれいな三編みができる」製品。このリリアンみたいなのに髪をはさむと、くるくるくる~っと三編みができちゃうことになってます。電池は別売。ここでとりあげた中では、今も売られてる数少ない製品だけど、自分の髪で試すのはちょっと抵抗ある…。コロナ禍のアメリカでふたたび注目を浴びているFlowbee(切った髪の毛がそのまま掃除機に吸い上げられるヘアカットデバイス)といい勝負。

(9)ニンテンドーの編み機

20211011KnittingMachine
Image: Gamemaster Howard/Facebook

ゲーム機がお茶の間に進出! っていうと最初から子ども向けだったように思いがち。でもアタリもニンテンドーもみな最初に想定していたのは、いろんな世代がひとつ屋根の下で楽しめるホーム・エンターテインメントシステムでした(NESの日本名もファミコンだしね!)。幅広い世代が対象なので、いま考えると「あれ?」ってなる製品もたま〜にあって、このNES用の編み機「Nintendo Knitting Machine」なんかはそのいい例なのではないでしょうか。

NES専用コントローラーでゲーム機と連動させて、画面に映し出される絵柄をそのままに編めるスグレモノ。80年代後半、ニンテンドーが提携各社に披露したんですが、店頭に並ぶことがないまま終わった幻の製品です。ニンテンドー元エグゼクティブの「Gamemaster」ことHoward PhillipsさんがSNSで広報用の資料をシェアしているので存在したことはしたみたい。「編み物にパワー」って刺さるコピーも確認できます。

(10)しゃべるカメラ「Polaroid OneStep」

20211011OneStep
Image: Amazon

最近またポラロイドカメラが盛り返してますが、これはムリに起こさなくてもいいかな…。

Polaroid(ポラロイド)が1995年に発売した「OneStep」はスピーカーが内蔵になっていて、声を録音しておくとシャッターを切るとき流れるという、たったそれだけのカメラです。声は自分の声でもいいし、あらかじめ用意された自動音声から選んでもOK。魂の抜けた機械的な「チーズ」の声にきっと笑顔が凍る弾けることでしょう。