英下院議員、有権者との対話会で刺され死亡 英政界や地元に衝撃

英下院議員、有権者との対話会で刺され死亡 英政界や地元に衝撃

英与党・保守党のベテラン下院議員、サー・デイヴィッド・エイメス(69)が15日、東部エセックス州の地元選挙区で不特定の有権者との面会を広く受け付けていた会場で男に刺され、死亡した。ロンドン警視庁は16日未明、テロ事件と断定し、「イスラム過激主義に関連している可能性がある」とコメントした。

エイメス議員は事件当時、選挙区内にある教会で、有権者との対話会を開いていた。イギリスでは下院議員がそれぞれの選挙区で、有権者との懇談の場を設けるのが通例。予約なしで会場に入れる場合も多い。

地元警察は、この教会で議員を繰り返し刺して死亡させたとして、25歳男性を殺人容疑で逮捕したと発表した。政府消息筋によると、男性はイギリス国籍のソマリア系という。

ボリス・ジョンソン英首相は、政界で「最も優しい人のひとり」を失ってショックだと、悲しみをあらわにした。「とりわけ最も弱い人たちを助けるための法案を複数成立させた、見事な記録の持ち主だ」とたたえ、「デイヴィッドはこの国とその未来を情熱的に信じていた。私たちは本日、優れた公僕と、そして大勢に愛されていた友人と同僚を失った」と悼んだ。

ロンドンの議会議事堂や首相官邸では、追悼の半旗が掲げられている。