岸田氏2位なら河野氏不利?「2位3位連合」なるか

自民党総裁選(29日投開票)は、4候補が1回目の投票で過半数を得られず、上位2人による決選投票に進むとの見方が強まっている。有力視されるのは1回目の投票で河野太郎ワクチン担当相が1位となり、決選投票が①河野氏と岸田文雄前政調会長②河野氏と高市早苗前総務相-となるケースだ。岸田、高市両陣営の「2位-3位連合」による逆転が可能か否かが焦点となっている。

「ひどいフェイクニュースだ」。河野氏は、4候補が出演した26日のフジテレビ番組で、こう声を荒らげた。番組出演者が「河野氏と岸田氏の決選投票になると、岸田氏が逆転する可能性があるという考え方が一般的」とした上で、河野氏陣営の議員が1回目の投票で高市氏に投票し、高市氏を2位にしようとする動きがあると伝えた。河野氏は否定し、猛反発した。

だが、この想定を裏書きするように、党内では決選投票に向け有力者が電話などで腹の探り合いを始めている。背景には、決選投票の仕組みと、岸田、高市両氏の支持層の違いがある。

決選投票は議員票382票と党員・党友票47票の計429票で争い、第1回投票に比べ議員票の重みが増す。①のケースは河野氏不利との見方がある。河野氏の「脱原発」や年金制度改革、党の部会を軽視する発言などに反発が広がっているためだ。

一方、岸田氏は新たに旧竹下派(平成研究会)の支持を得るほか、安倍晋三前首相や麻生太郎副総理兼財務相とも関係が良好だ。決選投票で安倍氏が支持する高市氏の票が乗りやすい環境といえる。

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