生き物

「ゾウの8倍重い」「かみつく力がティラノサウルスの10倍」などスケールがデカすぎる古代の超巨大サメ「メガロドン」にまつわる7つの伝説


脊椎動物としては最も長命なニシオンデンザメや、世界最大の光る脊椎動物であるヨロイザメなど、サメには驚異的な能力や特徴を持つものが多く存在します。そんな中でも、捕食動物としては史上最大級の体格を持っていたとされる古代の巨大サメ「メガロドン」について、科学系ニュースサイトのLive Scienceが解説しています。

7 megalodon shark facts that will blow your mind | Live Science
https://www.livescience.com/facts-about-megalodon.html

◆1:歯の化石が「ドラゴンの舌」だと思われていた
メガロドンの歯は長さが10~12cmに達することもあったため、中世ヨーロッパの人々はメガロドンの歯の化石をドラゴンの舌先が石化したものだと思っていたとのこと。また、17世紀頃にはメガロドンの歯が毒を消す不思議なお守りとして珍重されていたとの記録も残っています。

by Géry Parent

メガロドンは軟骨魚類なので通常は全身の骨格が見つかることはありませんが、歯の化石は比較的よく見つかります。これは、メガロドンの歯が1~2週間ごとに生え替わるためで、推定では1頭のメガロドンが一生のうちに作る歯は約4万本に達するとされているとのこと。こうした歯の一部が海底に沈んで化石となったのが、現代に残るメガロドンの歯です。

◆2:ゾウの8倍以上の体重があった
一説によると、メガロドンは体長が17.9メートルに達し、体重は最大65トンもあったとのこと。アフリカゾウの体重が5.8~7.5トンほどとされていることを踏まえると、メガロドンは現生する陸の動物では最大のアフリカゾウに比べて約8倍以上もの重さがあったことになります。現代の人食いザメとして知られているホホジロザメの平均的な体長である4~4.9メートル、体重680~1100kgと比べると、メガロドンがいかに巨大だったかが分かります。

by Encyclopædia Britannica, Inc./Patrick O'Neill Riley

◆3:かむ力が史上最強
メガロドンのあごの力はティラノサウルスの6~10倍もあったとされており、これは既知のどの動物よりも強力です。推定によると、メガロドンの咬合(こうごう)力は最大18万ニュートン以上だったとのこと。それに比べて、ホホジロザメの咬合力は1万8219ニュートン、人間は1317ニュートンに過ぎません。

◆4:人類の何倍も長い間地球を支配していた
メガロドンの最古の化石は今から2000万年前のものとされており、360万年前に絶滅するまでの約1700万年の間、最大級の捕食者として海に君臨していたと見られています。それに比べて、人類ことホモ・サピエンスが登場してからまだ約30万年しかたっていません。

これほど長い間メガロドンが食物連鎖の頂点に立っていられたのは、海で最大級の捕食者として他の動物の大型化を阻止し、脅威となるのを防いでいたからだという科学者もいます。メガロドンの生息とクジラの進化をテーマにした2014年の研究では、クジラはメガロドンが絶滅した直後に急激に体が大きくなったことが分かりました。

by Gunnar Ries zwo

◆5:「リヴァイアサン」と呼ばれるライバルがいた
メガロドンは非常に巨大なサメですが、同じ時代には体長が3〜18メートルにもなる大型のクジラであるリヴィアタン・メルビレイ(Leviathan melvillei)も生息していました。リヴィアタン・メルビレイの学名は、旧約聖書に書かれている海の怪物であるリヴァイアサン(Leviathan)にちなんだものです。

リヴィアタン・メルビレイがメガロドンと直接戦ったかは不明ですが、リヴィアタン・メルビレイには長く鋭い歯があったことが分かっていることから、当時の海ではエサをめぐる両者の生存競争が繰り広げられていたと推測されています。

◆6:メガロドンの赤ちゃんは母親のおなかの中で共食いしていた
メガロドンの胎児は、生まれる前に母親の子宮の中で兄弟を食べて成長するスペースを確保し、出産時には体長が2メートルにも達していたとのこと。サメの胎児が共食いするのは「子宮内共食い」と呼ばれており、ホホジロザメでも同様の行動が観察されています。


◆7:メガロドンは冷たい水で絶滅した
長い間地球の海を支配していたメガロドンですが、約360万年前に地球が寒冷化し始めたことで生息域が大幅に狭められました。メガロドンは、恒温動物のように体温を一定に保つことはできない一方、特殊な血管と筋肉により周囲の海水より体温を高く保つ能力を持つ「中温動物」だったとされています。しかし、鮮新世末期に海水温が低下して海が凍り始め、エサだったクジラやアザラシ、ウミガメなどが寒冷な海に逃れたことで、最終的には絶滅しました。

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in サイエンス,   生き物, Posted by log1l_ks

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