北朝鮮、終戦宣言を拒否 「米が先に敵視政策撤回を」
【ソウル=恩地洋介】北朝鮮の朝鮮中央通信は24日、韓国の文在寅(ムン・ジェイン)大統領が国連総会の演説で提案した朝鮮戦争の「終戦宣言」を拒否するリ・テソン外務次官の談話を伝えた。米国が先に対北朝鮮敵視政策を撤回すべきで、宣言は時期尚早だと主張した。
談話は、米韓同盟が強化されるなかでの終戦宣言は地域の戦略バランスを崩すと指摘。「米国の敵視政策が変わらない限り、終戦を100回宣言しても変わるものは一つもない」と強調した。
文大統領は米時間の21日に臨んだ国連総会の一般討論演説で、南北と米の3者、もしくは南北と米中の4者が終戦を宣言する案への支持を求めた。終戦宣言構想は米朝首脳が2018年に初めて会談した後、文氏が訴え続けてきた。
23日に大統領専用機内で韓国記者団の質疑に応じた文氏は「終戦宣言は非核化交渉や平和協定交渉に入るための入り口で、一種の政治的宣言だ」と述べ、米韓同盟や在韓米軍の駐留とは関係ない問題だと説明した。
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金正恩(キム・ジョンウン)総書記のもと、ミサイル発射や核開発などをすすめる北朝鮮。日本・アメリカ・韓国との対立など北朝鮮問題に関する最新のニュースをお届けします。