中国恒大の債務不安後退が支え(先読み株式相場)
24日の東京株式市場で日経平均株価は大幅に反発しそうだ。このところ世界的に株価の押し下げ要因となっていた中国不動産大手、中国恒大集団の債務不安が後退し、前日23日の米株式相場は大幅に上昇した。米連邦公開市場委員会(FOMC)を受けた相場波乱もなく、日本株にもリスクを取りやすくなった海外短期筋などの買いが膨らむ公算が大きい。日経平均は前営業日22日の終値(2万9639円)から500円ほど高い3万0100円程度までの上昇余地がありそうだ。
23日の米株式市場でダウ工業株30種平均は続伸し、前日比506ドル(1.5%)高の3万4764ドルで終えた。中国恒大集団が人民元建て債の利払いを実施すると発表したことや、ブルームバーグ通信が「中国当局が恒大に、短期的なドル建て債のデフォルト(債務不履行)を避けるよう伝えた」と報じたのを受け、同社の債務問題に対する警戒感が急速に後退した。香港市場に上場する恒大集団(@3333/HK)は23日に18%高、香港ハンセン指数と上海総合指数も上昇した。
米連邦準備理事会(FRB)は21~22日に開いたFOMCで、次回11月の会合でのテーパリング(量的緩和の縮小)開始決定を強く示唆した。一方、パウエルFRB議長はテーパリングの開始がそのまま利上げの検討を意味するわけではないと慎重な姿勢も示した。米長期金利の上昇を受けて景気敏感株の上げが目立っただけでなく、ハイテク株にも買いが向かった。
東京市場でも景気敏感株を中心に買い先行で始まりそうだ。取引時間中に中国恒大集団を巡る報道が伝われば、相場全体に大きな影響が出る可能性がある。
台湾は23日、環太平洋経済連携協定(TPP)加盟に向けた申請手続きをしたと発表し、中国は強く反発している。今後の米中関係などに影響を及ぼす可能性があり、中長期的なリスク要因との見方もある。
取引開始前に8月の全国消費者物価指数(CPI)の発表がある。東証マザーズ市場にレナサイエンスが上場する。海外では8月の米新築住宅販売件数の発表、パウエルFRB議長の講演なども予定されている。
〔日経QUICKニュース(NQN)〕
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