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コロナ禍を契機とした海上輸送の
◆運賃急騰
海運会社でつくる日本船主協会の池田潤一郎会長(商船三井会長)は22日の記者会見で、コンテナ船の需給逼迫について「コロナが収束しないと、状況は簡単には改善しない」と述べ、正常化には時間を要するとの見方を示した。
コンテナ船の運賃は急騰が続く。中国・上海から米ロサンゼルスに向かう主要航路でみると、40フィート(12メートル)コンテナ1個当たりの運賃は今年1月以降、前年同月比2~3倍で推移。ロサンゼルスから横浜行きの航路でも、7月の運賃は2・1倍に膨らんだ。
こうした中、食料品を中心に価格転嫁の動きが広がっている。
食用油大手のJ―オイルミルズは、今年4月から原料コストの上昇により油製品の価格を順次値上げしてきたが、海上輸送コストの上昇という要因が加わり、11月の納品分から家庭用や業務用製品を1キロ30円値上げする。日清フーズも、7月納品分から小麦粉を2~4%、9月納品分からパスタを2~8%値上げした。
ヤマト運輸と日本通運は、海外への引っ越し料金引き上げに踏み切った。
メルシャンは今月から、人気ワイン「フランジア」の販売を段階的に休止している。北米からコンテナ船で運んでくる原料ワインの輸入が滞っているためで、担当者は「早期の販売再開を目指すが、メドは立っていない」と話す。