ワクチン接種義務化に抗議、建設作業員ら暴力 豪メルボルン
オーストラリア・ヴィクトリア州で20日、新型コロナウイルスのワクチン接種を建設作業員に義務付けたことへの抗議デモが暴力的になった。これを受け、州都メルボルン市内各地の建設現場が閉鎖された。
ヴィクトリア州では23日から、建設作業員は少なくとも1回のワクチン接種を済ませたことの証明を示さないと、仕事を続けられなくなる。
地元メディアによると、この措置が発表されたことを受け、抗議デモが発生。建設・林業・鉱業・エネルギー労働組合(CFMEU)のヴィクトリア支部では、建物前面のガラスを割るなどの破壊行為が起きた。
CFMEUは、襲撃を強く非難。州政府による義務付けを支持する組合員らが集まっていたところ、抗議する人々の側に右派団体が入り込み、暴力が発生したと説明した。
組合員の一部はけがを負い、瓶を投げつけられた関係者もいたという。
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最長2週間の現場閉鎖
この事態を受け、機動隊が出動。ゴム弾や催涙スプレーを使って群衆を解散させたとされる。警察は数人を逮捕した。
CFMEUは、「組合員がオーストラリア各地で安全に働ける権利を、組合として守り続けていく。私たちは脅しによって仕事をやめることはない」とする声明を出した。
ヴィクトリア州の建設業協会は、メルボルン都市圏、ジーロング、サーフコースト、バララット、ミチェルシャイアーのすべての建設現場が20日真夜中から閉鎖されると、フェイスブックに投稿。
建設業界で新型ウイルスの感染者が増えていることと、メルボルンの「暴動」に対応したものだと説明した。
また、閉鎖期間は2週間の予定だが、地方自治体がロックダウンを早期に解除すれば、閉鎖は短縮される可能性があるとした。
オーストラリアの感染状況
オーストラリアは、新型ウイルス感染症COVID-19の死者が比較的少ない。これまでのところ、新型ウイルスを抑えていると評価されている。
米ジョンズ・ホプキンス大学によると、感染者数は8万7000人強で、新型ウイルス関連の死者は1168人となっている(日本時間21日午前時点)。
しかし最近、メルボルンやシドニー、キャンベラで感染が流行し、ロックダウンが実施された。デルタ変異株が、より急速な感染増加を引き起こしている。