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人気アニメ「機動戦士ガンダム」の原作者・富野由悠季さん(79)の出身地でもある神奈川県小田原市は、ガンダムによる観光振興に乗り出した。市はこれまで小田原城と小田原北条氏を観光の目玉にしてきたが、幅広い世代にファンを持つガンダムを新たな観光資源にして、誘客と知名度アップを目指す。
ガンダムによる観光振興は、7月の富野さんの「ふるさと大使」就任を受けて始動した。小田原観光は歴史と新鮮な魚が中心で、新たな魅力づくりが課題だったため、市は1979年の公開後、40年たっても根強い人気を誇るガンダムの「生みの親の出身地」としてPRすることにした。
市は第1、2弾として、ガンダム作品のマンホールと階段アートを設置した。マンホールは小田原城を背に立つガンダムと、主人公の敵でライバルのシャア大佐が乗るロボット兵器「ズゴック」の2種類があり、8月1日に同市栄町のダイヤ街商店街と小田原漁港近くに据え付けられた。
階段アートは同日、小田原駅前の地下街「ハルネ小田原」にある階段5か所に設置。戦国時代をイメージした墨絵風のタッチで、ガンダムとズゴック、敵の別のロボット兵器「ザク」と、同城の天守閣や常盤木門などの地元の名所が一緒に描かれている。
第3弾で打ち出すのは、ダイヤ街商店街に設置したマンホールと同じデザインの「マンホールカード」。市は、緊急事態宣言が解除された後、無料配布することを検討している。
市は今後もガンダムを活用するとともに、富野さんと小田原の関係などにスポットを当てた観光振興策を考案中だ。市観光課は「マンホールや階段アートは小田原とコラボしたオリジナルデザイン。コロナ禍が終息したら、小田原のガンダムに会いに来てほしい」としている。