昨年の訪日客減の経済損失11兆円 関西大教授が試算

閑散とした羽田空港国際線到着ロビー=1月14日、東京都大田区の羽田空港国際線ターミナル(納冨康撮影)
閑散とした羽田空港国際線到着ロビー=1月14日、東京都大田区の羽田空港国際線ターミナル(納冨康撮影)

新型コロナウイルス流行を受け、訪日外国人の減少によって失われた令和2年の経済効果が約10兆9557億円に上るとの試算を関西大の宮本勝浩名誉教授(理論経済学)が20日までに発表した。コロナ流行前は右肩上がりで伸びていた訪日客が激減したことで、特に観光産業への依存度が大きい地域が打撃を受けたと分析した。

外国人の入国制限などにより、2年の訪日外国人数は前年比87・1%減の約412万人にとどまった。宮本氏はコロナ流行がなければ、東京五輪・パラリンピック開催が予定されていたこともあり、過去最高の3602万人が日本を訪れていたと仮定した。

観光地での土産物購入や宿泊の減少など直接的損失が約8兆3182億円と算出。土産物の原材料を製造する会社や、その従業員などが被る間接的な影響を2兆6375億円と分析した。

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