20年日本選手権優勝の松村千秋(28=中部電力)と谷田康真(27=コンサドーレ)のペアが、北京五輪出場枠が懸かる最終予選(12月、オランダ)に日本代表として出場することが決まった。 今年2月の日本選手権で連覇を阻まれた吉田夕梨花(27=ロコ・ソラーレ)と松村雄太(31=コンサドーレ)のペアと対戦し、大会通算3勝1敗で下した。 松村千秋、谷田康真組は、1次リーグでの直接対決を1勝1敗で終えると、この日の午前の試合を7-5で勝って王手をかけ、続く試合も8-7で勝利した。 きょうだい対決にも注目が集まっていた中で、妹のペアが兄のペアを破った。

決定戦第1試合の第6エンド、笑顔を見せる松村千(左)と谷田(代表取材)
決定戦第1試合の第6エンド、笑顔を見せる松村千(左)と谷田(代表取材)
 
 

決定戦第2試合


チーム
吉田・松村
松村・谷田

【吉田・松村】吉田夕梨花(27=ロコ・ソラーレ)、松村雄太(31=コンサドーレ)

【松村・谷田】松村千秋(28=中部電力)、谷田康真(27=コンサドーレ)

◆試合経過

第1エンド(松村千・谷田組が後攻)

王手をかける松村千、谷田組が有利な後攻で開始。負けられない吉田夕の正確なドローショットが続き、相手の複数得点が厳しい状況を作り出す。さらに5投目で松村雄がガードの石を押してハウス内の石を押し込む絶妙ショットで1点スチール。1-0。

第2エンド(松村千・谷田組が後攻)

再び吉田夕のショットがさえる。4投目を終えてNO1からNO5まで確保。最終5投目の松村千はドローショットで2点を狙うが、距離が足りずに1点どまり。1-1に。

第3エンド(吉田・松村雄組が後攻)

4投目の谷田を前に、ハウス内には5個の石でNO1、NO2を取られている不利。速い石でガードを弾いてハウス中に飛ばし、相手の2個の石をハウス外に出し、一気に状況を挽回。しかし、最終5投目で松村雄が高い難度の一投でお返し。ガードの石の狭い間を通して巧みなドローショットで2点確保。3-1とリードする。

第4エンド(松村千・谷田組が後攻)

3投目、4投目で谷田がドローショットを決めて、縦にNO1、NO2、NO3作りに成功。最終5投目の松村雄は大量失点のピンチに、速い石で難しいヒットアンドロールを決める。松村千、谷田組は2点。3-3の同点でハーフタイムに。

第5エンド(吉田・松村雄組が後攻)

流れが変わる事が多いハーフタイム明け。4投目で吉田夕が的確なドローを決めて、最終5投目を前にNO1、NO2を確保。「ボーナスだから」の吉田夕の声をもらいながら投げた松村雄のドローは、ここしかない位置に。3点を獲得。6ー3と引き離す。

第6エンド(松村千・谷田組が後攻)

劣勢の松村千、谷田組がパワープレーを選択。センターガードをなくして大量得点を狙いにいく。相手の4投目、5投目のミスを生かし、最終5投目を前にNO1からNO3まで確保。松村千がこの日は苦戦中の右のラインをしっかり決めて4点。一気に逆転。

第7エンド(吉田・松村雄組が後攻)

吉田夕、松村雄組がパワープレーを選択。2点以上がほしい。最終5投目の松村雄は、ハウス内の相手のNO1を弾いて、最低でも2点を取りたい配置。しかし、曲がりが少なくミスショットとなり1点しか取れず。7-7で最終第8エンドに。

第8エンド(松村千・谷田組が後攻)

最終5投目で1点を取ればいい松村千、谷田組。谷田がガードを破壊していく。4投目の吉田はドローショットでNO1、NO2を確保。続く4投目の谷田はプレッシャーかかる場面で、スイープで距離を伸ばす見事なドローショットを決めてNO1を奪取。最後は松村雄がNO1を得られずに試合終了。松村千、谷田組が3勝1敗として世界選手権代表を決めた。

決定戦第2試合の第2エンド、笑顔の吉田(左)と松村雄(代表取材)
決定戦第2試合の第2エンド、笑顔の吉田(左)と松村雄(代表取材)
決定戦第2試合の第1エンド、タッチを交わす吉田(手前左)と松村雄(代表取材)
決定戦第2試合の第1エンド、タッチを交わす吉田(手前左)と松村雄(代表取材)

決定戦第1試合


チーム
吉田・松村×
松村・谷田×

【吉田・松村】吉田夕梨花(27=ロコ・ソラーレ)、松村雄太(31=コンサドーレ)

【松村・谷田】松村千秋(28=中部電力)、谷田康真(27=コンサドーレ)

◆試合経過

第1エンド(松村千・谷田組が後攻)

松村千、谷田組の後攻でスタート。NO1を持った状態での5投目、松村千が2点目を狙ったドローショットは相手のNO2より内側には届かず1点止まり。

第2エンド(吉田・松村雄組が後攻)

NO1~4を持たれた状態での5投目、松村雄が放ったラストショットは、なんとか一番内側を確保。スコア1-1となる。

第3エンド(松村千・谷田組が後攻)

両チームともドローに好ショットが目立つ。ハウス内に縦に石がずらりと並んで迎えた状態で迎えた5投目、攻め手がなくなった松村千はストーンをスルーさせて1点のみ。

第4エンド(吉田・松村雄組が後攻)

後攻の吉田、松村雄組にチャンス到来。NO1、2を得た状態で迎えた5投目、松村雄のショットはやや速かったが、吉田のコールも良く3点のビッグエンドに。4-2で前半を折り返す。

第5エンド(松村千・谷田組が後攻)

追いかける後攻の松村千、谷田組は3、4投目に谷田が好ショットを連発してチャンスを広げる。5投目はミスショットとなり、NO1~3を持った状態で迎えたラストストーン。松村千のショットはやや弱かったが、2人がかりのスイープで運び切る。3点を取られた直後に4点を奪い返し、6-4と再逆転。

第6エンド(吉田・松村雄組が後攻)

吉田・松村雄(後攻)にとってNO1を持たれた状態で迎えた松村雄の最終投。偶数エンドではこれまで使っていないサイドから投げさせられる形となったショットは弱く、スチールを許す。第5エンドに大量点で逆転した松村千、谷田組が、不利な先行でさらにリードを広げる。

第7エンド(吉田・松村雄組が後攻)

苦しい展開となった吉田、松村雄(後攻)はパワープレーを選択。しかし、このエンドも相手優位の状況となってしまう。相手にNO1、2を持たれて迎えたラストストーンは、松村雄がドローショットを中央に寄せ、なんとかスチールは防いだ。パワープレーを残す松村千、谷田組が2点リードで後攻のラストエンドに入る。

第8エンド(松村千・谷田組が後攻)

2点リードで迎えた後攻の松村千、谷田組のパワープレー。優位に運ぶ中、4投目で谷田が相手のストーンを1つはじき出したところで相手が負けを認めた。これで松村千、谷田組は1次リーグでの直接対決の成績も含め通算2勝1敗とし、代表の座に王手をかけた。続く試合は午後3時半から。

決定戦第1試合の第5エンド、ショットを放つ吉田。左は松村雄(代表取材)
決定戦第1試合の第5エンド、ショットを放つ吉田。左は松村雄(代表取材)
決定戦第1試合の第5エンド、ショットを放ち声を出す吉田(左)。手前は松村雄(代表取材)
決定戦第1試合の第5エンド、ショットを放ち声を出す吉田(左)。手前は松村雄(代表取材)
決定戦第1試合の第6エンド、作戦を話し合う松村雄(左)と吉田(代表取材)
決定戦第1試合の第6エンド、作戦を話し合う松村雄(左)と吉田(代表取材)
決定戦第1試合の第5エンド、ショットを放つ松村千。右は谷田(代表取材)
決定戦第1試合の第5エンド、ショットを放つ松村千。右は谷田(代表取材)
決定戦第1試合の第1エンド、スイープする谷田。奥は松村千(代表取材)
決定戦第1試合の第1エンド、スイープする谷田。奥は松村千(代表取材)

◆カーリング混合ダブルス 男女1人ずつのペアで争う。4人制より2エンド少ない8エンド制で行われ、各エンドにつき1チーム5回ずつストーンを投げ合う。1人目は1、5投目、2人目は2~4投目を担当。両チームがセンターライン上の所定の位置に1つずつストーンを置いた状態から始まる。後攻チームは1試合に1度、ストーンを置く位置を左右いずれかにずらして配置する「パワープレー」を選択可能で、複数点を取るチャンスが拡大する。五輪には前回の平昌大会から採用され、日本は出場権を獲得できなかった。

◆大会方式 過去2年の日本選手権でそれぞれ優勝した両ペアと、今年1月1日時点でワールド・カーリンク・ツアー・ランキング国内最上位ペアの計3組が2回総当たり形式の1次Lを行い、上位2組が最終3日目(20日)の決定戦(最大3試合)に進む。決定戦では、1次Lでの直接対決の結果も含めて先に3勝したペアが勝者となり、日本代表に決定する。

カーリング混合ダブルス北京五輪への道
カーリング混合ダブルス北京五輪への道

◆北京五輪への道 今大会の勝者は日本代表として、来年の北京五輪の出場枠が懸かる最終予選(12月5~9日、オランダ・レーワルデン)に出場する。同大会には14チームが参加し、残る2枚の五輪切符獲得を目指す。北京五輪には10チームが出場。5月の世界選手権(スコットランド)で上位だった8カ国がすでに出場権を確保している。その世界選手権に日本からは吉田夕と松村雄のペアが臨み、11位で北京五輪出場切符を逃した。


決定戦第3試合


チーム
          
          

【松村・谷田】松村千秋(28=中部電力)、谷田康真(27=コンサドーレ)

【吉田・松村】吉田夕梨花(27=ロコ・ソラーレ)、松村雄太(31=コンサドーレ)


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