群馬県の若者ワクチン接種特典 接種進んだが批判も

群馬県が実施するワクチン接種で車や旅行券が当たる特典応募再開の通知
群馬県が実施するワクチン接種で車や旅行券が当たる特典応募再開の通知

群馬県は、若年層の新型コロナウイルスワクチン接種を促す狙いで実施を表明していた、車や旅行券が当たる抽選応募の受け付けを15日から始めた。初日はアクセスが集中し一時受け付けを中止したほどで、県のもくろみは成功した格好だ。ただ、若年層の接種率の低さを問題視した今回の特典事業そのものに〝違和感〟を感じる県民が少なくないのも事実。特典事業は本当に必要だったのだろうか。

応募アクセス集中

16日の定例会見で山本一太知事は「(接種率の向上や応募数など)数字上からみても明らかに効果があった。手応えを感じている」と強調した。

県によると、15日正午から受け付けを始めた直後からアクセスが集中。県は午後0時50分から同2時まで受け付けを中止したが、それでも3時40分までに7200件の応募があった。県内の20~30歳代人口は約40万人で、その約4割が2回接種を終えている。計算上は、約2時間半で2回接種者の4・5%が応募したことになる。16日の午後2時時点での応募総数は、2万9595人にまで増えている。

県ワクチン接種推進課によると、特典事業を発表した8月6日の20~30歳代の2回接種率は約4%(8月1日時点)で、9月4日時点で38・4%まで上がった。県は発表時に、若者らの間では接種に関し「効果がない」「打ったら腕に磁石がつく」などネット上の根拠のないデマが広まり、接種に消極的になっている可能性があると指摘するなど、若者の接種率の低さを問題視していた。

接種率の向上に向けて、特典事業は一定の効果はあったように見て取れる。

遅かった接種開始

一方で、ワクチン接種は、若年層よりも重症化リスクが高い高齢者を優先して実施してきた。

6月までは65歳以上が対象で、その後、60歳代、50歳代と対象世代を下げ、接種を開始。特典事業の対象となった20~30歳代がようやく接種予約ができるようになったのは、7月の高崎市、太田市の県営の大規模接種会場からだった。

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