ここは瀬戸内ではなく松戸、レモン400本栽培「新たな名産に」

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 レモンを松戸の新たな名産に。新松戸駅に近い住宅街の畑で、千葉県松戸市の鵜殿敏弘さん(68)の家族らがレモン栽培に取り組んでいる。近くの直売所「MONPE(モンペ)」の店頭には、今年も新鮮なレモンが並ぶ。

たわわに実ったレモンの収穫に大忙しの鵜殿敏弘さん(奥)と芳行さん
たわわに実ったレモンの収穫に大忙しの鵜殿敏弘さん(奥)と芳行さん

 江戸時代から米農家だったという鵜殿家は、都市開発の波に押されて田んぼが減り、野菜や花を作る畑作に転向した。30年近く前、弟の芳行さん(62)が経営していた花店で売れ残ったレモンの木を植えてみると、5年ほど後に実がなった。「松戸でもレモンが作れる」と確信した。

 本格的な栽培は2013年から。レモンとオレンジが自然交配してできたマイヤーレモンを中心に、今では5か所の畑計約4000平方メートルに、約400本の木を植えている。

 国内産レモンの8割近くは、温暖な瀬戸内海沿岸の広島、愛媛県で生産されている。冬は寒い松戸でレモンを育てるため、2人は試行錯誤を重ねた。

 同市幸谷の畑では、瀬戸内海の島のように傾斜地に木を植え、日光がたっぷりあたるようにした。別の畑では、周囲に別の木を植えたり、レモンの木の間隔を狭くしたりして、風よけの工夫を凝らした。

 情熱は実を結び、当初は20キロ程度だった収穫量は昨年、約10トンに。将来的には20トンまで増やし、地産地消を目指したいと考えている。

 収穫したレモンは半分を直売所に、残りを近くの商業施設など8か所に置いてもらっている。レモンハイなどで出す地元の飲食店の経営者らにも人気で、どんなところで作られているのか客に説明したいと、見学に来る店主もいるという。

 今年はここまで天候の影響もほとんどなく、酸味と糖度のバランスがとれたレモンに仕上がっている。敏弘さんは「都市農業は難しい点もたくさんあるけれど、新鮮なものをすぐに届けられるメリットは大きい。地元の人たちの喜ぶ顔を見ることもできる」と笑顔で語る。

 直売所では1月末まで、新鮮なレモンを購入できる。問い合わせはMONPE(047・713・0146)。月曜定休。

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2379297 0 経済 2021/09/19 20:03:00 2021/09/19 22:19:42 2021/09/19 22:19:42 https://www.yomiuri.co.jp/media/2021/09/20210917-OYT1I50147-T.jpg?type=thumbnail

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