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小型無人機「ドローン」を使った山小屋への物資輸送の実用化に向けた取り組みが長野県内で本格化している。県も企業や大学と連携し、2023年の実用化を目指して機体開発などを進めるプロジェクトを始めた。ヘリコプターによる輸送費が高騰する中、新型コロナウイルスが追い打ちをかけ、山小屋の経営は圧迫されており、県は実用化を急ぐ。(岡部哲也)
「ヘリと山小屋は運命共同体。ヘリが飛んでくれないと山小屋の経営は立ちゆかない」。北アルプス・穂高連峰の山小屋「涸沢ヒュッテ」(標高約2300メートル)の会長、山口孝さん(73)は現状を明かす。
昨年は新型コロナの影響で7月半ばまで休業したが、今年は例年通り4月27日から営業を開始。大型連休中の登山者の増加を見込み、ヘリを15往復させて計約7トンの食料や燃料を運んだ。11月上旬まで1~2週間に1度のペースで荷上げを行う予定だ。
山口さんが頭を悩ませるのは、高騰するヘリの輸送費だ。2019年の年間輸送費は約2000万円で、5年前から約500万円増えた。山口さんは「どうしてもコストはかかるが、山小屋を運営していくためには値段のことは言っていられない」と話す。
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