市場の隣接地では、細い路地に沿って、民家や商店、飲食店が密集し、市場関係者の多くも暮らしていた。一角の診療所に「原因不明」の肺炎に苦しむ患者が押し寄せた。再開発はこの秋から本格化した。地元政府は、古い建物を一掃して新しい街並みに作り替え、コロナ禍からの回復の象徴にする狙いがある。建物は次々と取り壊され、住民の大半が新たな住居や補償金をもらって去っていった。「何十年も暮らしている家から突然、立ち退きしろと言われても……。役所から提案された移転先では生活が成り立たない」甘さんは「武漢では、うわべだけ回復をアピールして、私たちのような住民が置き去りにされている」と嘆いた。武漢市政府は、２０１９年１２月８日に発症した男性が最初の感染者だとしている。だが、この男性は初期に感染者が集中した華南海鮮卸売市場には行っていないことがわかっている。これに対して、米アリゾナ大の研究者は１１月、米科学誌サイエンスで、初の症例は市場関係者の女性だとの見解をまとめた。ただし、女性の発症は１２月１１日という。この研究結果は、発生源は市場から、という欧米などで取り沙汰される見方に近い。第１号とされる男性が本当に１２月
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