東京五輪の空手女子形で銀メダルを獲得した清水希容(ミキハウス)が6日、記者会見を行い、金メダルを取れずに「悔しい」と語り、世界大会での雪辱を誓った。会見での主なやり取りは次の通り。
ーーメダルを獲得し、一夜明けた感想を
「まずは東京オリンピックという舞台を開催していただいたこと、そして空手競技がこの東京オリンピックで採用していただいて、この舞台に立てたことを本当に感謝しています。ありがとうございました。結果は悔しくて、ずっと時間がたてばたつほど悔しい思いなんですが、あの舞台に立てたことは本当に良かったと思っています」
ーー清水さんにとって空手とは何か
「空手を一言でいうと、私にとっての空手は『人生そのもの』だと思っていますし、空手の武道というものは歴史が深くてただのスポーツというものだけではなく、たくさんの先代の方たちがずっとつないできてくださった歴史を、自分たちが今形の中で演武できるということは、自分は本当に『生きた歴史』だと思っているので、本当に空手は『生きた歴史そのもの』ではないかと思っています」
ーー今回競技に採用されて、日本の礼儀作法なども世界に発信されたと思う。空手を通して世界にどういうことを伝えたいか
「やっぱり武道というものは礼に始まり、礼に終わるということを子供のころからずっと教わってきました。礼儀作法というものは本当に大事にしてきているものなので、自分自身も人間としてもしっかりと見本になれるような選手になりたいと思って、ずっと大きな舞台を目指してやってきたので、これからももっとしっかりと自分自身も向上していけるように精進していきたいと思っています」
ーー実際に空手の形を初めて見た人も多いと思う。周囲からの反響は届いていたりするのか
「たくさんのメッセージをいただいて、自分の知り合いもそうですが、その周りの方から、たくさんのメッセージをいただいたという声もいただいた。『空手を初めて見てすごいカッコ良かった』『すごいスピードがあった』とか、そういうふうに見ていただけたのはうれしいですし、まずは初めて見てくださった方の目に触れたことが何より良かったと思います」
ーー試合後に「ここまでしんどかった」という言葉があった。それでもここまでやってこられた原動力は何か
「勝つということもすごく経験させていただいた時期もあったんですけれど、東京オリンピックが決まってからは負けることもすごく増えて、そういう時期がすごくつらく、しんどかったんですけれど、空手自体も離れたいと思うぐらいしんどい時期もあったが、何よりも近くで支えてくれる家族や先生たちなど、本当にたくさんの人が常に自分に寄り添って支えてくださったおかげで、自分はこの舞台に立つことができたと思います」
ーー日本で開かれた五輪で新種目として採用され、日本で行われた意義を教えてほしい
「日本武道館という舞台は自分自身もすごく小さいころからあこがれていた舞台でしたし、あの舞台は自分にとって昔から本当に特別な舞台でもありますし、武道をやっている人たちはみんなそこの舞台にあこがれて目指している舞台なので、そこでまずは東京オリンピックができたこと本当にうれしく思いますし、日本発祥の空手でもあるので本当に優勝したかったという思いが何よりも強かったのですが、あの舞台で自分の演武ができたことは良かったと思いますし、この悔しい思いは世界大会で晴らすしかないと思っているので、3カ月後に控えた世界大会に向けてまずはしっかりと稽古に励んでいきたいと思っています」