世界のコロナ感染者、2億人突破 半年で倍増
【ニューヨーク=山内菜穂子】世界の新型コロナウイルスの累計感染者数が4日、2億人を突破した。患者数が1億人に達するには1年超かかったが、2億人には約半年しかかからなかった。各国でのインド型(デルタ型)の拡大が止まらず、感染ペースが「第5波」に入ったとの懸念が強まっている。
米ジョンズ・ホプキンス大のまとめによると、世界の累計新規感染者数は4日午後(日本時間5日早朝)に2億人を超えた。「第3波」により1億人を超えた1月下旬から半年あまりで2倍になった。世界人口の2.6%が感染した計算となる。死亡者数は累計で424万人を超えた。
累計感染者数を国別でみると、世界最多は米国で3529万人と全体の2割弱を占めた。インド(3176万人)、ブラジル(1998万人)、ロシア(627万人)と続く。半年前と比べると、米国は3割増だった一方、インドは3倍、ブラジルは2倍超に増えた。
2019年12月に中国で初めてウイルスが確認されてから、世界的な感染の波は4度あった。世界保健機関(WHO)は20年3月、新型コロナをパンデミック(世界的大流行)と認定した。
20年春の「第1波」では米国やイタリアなど欧米を中心に感染が拡大した。南米やインドなどに広がった夏の「第2波」の後、冬の「第3波」では米国の1日の新規感染者数(7日移動平均)が一時、20万人を超えた。
現在の感染拡大は変異ウイルスの急速な広がりが背景にある。21年春からの「第4波」は英国型(アルファ型)や南アフリカ型(ベータ型)、ブラジル型(ガンマ型)が広まった。現在はデルタ型が席巻し「第5波」に入ったとの見方が強まっている。
WHOによると、デルタ型は少なくとも世界135カ国・地域で確認された。米国は推定で症例数の9割を超える。ワクチンの接種割合が低い地域を中心に感染拡大が続き、3日の新規感染者数(7日移動平均)は5カ月半ぶりに9万人を超えた。
CDCによると、最も深刻なパンデミックの1つは1918~19年に世界中で広がったスペイン風邪だ。世界の人口の3分の1が感染し、少なくとも5000万人が亡くなったとされる。
- 【関連記事】イスラエル、行動制限を強化 在宅勤務推奨も
※掲載される投稿は投稿者個人の見解であり、日本経済新聞社の見解ではありません。
この投稿は現在非表示に設定されています
(更新)
新型コロナウイルスの感染症法上の分類が2023年5月8日に季節性インフルエンザと同じ「5類」に移行しました。関連ニュースをこちらでまとめてお読みいただけます。
-
【よく読まれている記事】
- 新型コロナウイルスは体内にいつまで残るのか
- 「コロナに決してかからない人」はいるのか?