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日本 5-2 韓国
試合を決めた山田の走者一掃の二塁打は、四球後の初球を一振りで仕留めた。相手投手は真っすぐで押してきて、変化球をほとんど投げていない。狙い球はストレートだけという、山田の冷静な判断が生んだ一打だ。
山田の前で、甲斐が四球を選んだのも大きかった。相手投手の制球が乱れたとはいえ、我慢強く球を見極めてつないだことが、勝ち越し打を生んだ。
先発の山本は、最後はフォークをうまく打たれたけれども、投球内容は悪くなかった。左打者が続くところで、いいタイミングでの交代だったともいえる。2番手の左腕・岩崎が同点で止めたのが、きょうの継投のポイントになった。3番手の伊藤は、2試合目の登板も安心して見ていられた。
つなぎの野球、その象徴が甲斐
それにしても、今大会の日本は、初戦のドミニカ共和国戦の逆転サヨナラ勝ちから始まって、終盤に点を取る試合が多い。ベンチには、終盤に何か起きるという意識が浸透しているようだ。4試合中2試合でサヨナラ勝ちとは。
理想的な4連勝で決勝に進出した。今大会の日本の良さは「つなぎ」だ。個々の選手が自分の役割を理解し、無駄なアウトがない。象徴的なのが甲斐だ。リードも良いし、打率も高いが、スクイズや、状況に応じて打つ方向を変えるなど、まさにつなぎに徹している。チームとして、非常にレベルの高い野球をしている。
決勝の相手は米国か、韓国か。いずれにしても再戦となる。開幕前に、出場チームの顔触れや開幕前の日程を見たときから、このどちらかとの対戦になると思っていた。前の試合のデータをしっかりと見て、戦略をたてることだ。
そして、何よりも先発投手の踏ん張りに期待したい。終盤のドラマチックな展開も、見ていれば面白い。でも、最後は先制-中押し-ダメ押しと言う理想的な展開で締めくくってほしい。(読売新聞スポーツアドバイザー)