【東京五輪】 サッカー男子、日本は準決勝でスペインに敗退 女子ではアメリカが敗れる
東京オリンピックのサッカーは3日、男子準決勝があり、日本はスペインに敗退して初の決勝進出を逃した。前日の女子準決勝では、優勝候補のアメリカがカナダに敗れた。
埼玉スタジアム2002であった男子の日本とスペインの試合は、延長戦の末にスペインが1-0で勝った。スペインの決勝進出は、準優勝した2000年シドニー五輪以来。1992年バルセロナ五輪以来の金メダルを狙う。
茨城カシマスタジアムであった準決勝のもう1試合は、前回優勝のブラジルがメキシコをPK戦4-1で下し、2大会連続で決勝に勝ち上がった。
決勝は7日に横浜国際総合競技場である。日本とメキシコの3位決定戦は、6日に埼玉スタジアム2002で開かれる。日本は1968年メキシコ五輪以来、53年ぶりとなる銅メダルを目指す。
スペインが序盤から支配
日本とスペインの一戦は、地力でまさるスペインが序盤からボールを支配し、日本を押し込んだ。
前半6分、MFミケル・メリノがシュートを放ち、同31分には左サイドからつないで最後はFWミケル・オヤルサバルがシュート。同39分にはFWラファ・ミルが裏に抜けてGKと1対1になるが、シュートはブロックされた。
0-0で折り返した後半は、日本が先にチャンスをつかみかける。後半1分、DF酒井宏樹のパスを受けたMF堂安律のシュートは相手のDFに当たった。同7分にはDF吉田麻也からDF旗手怜央とつないで、FW林大地がシュートを放ったが、ゴールの右に外れた。
後半11分、シュートを打つメリノを吉田が倒したとしてファウルを取られ、スペインにペナルティーキック(PK)が与えられた。しかし、VAR(ビデオ・アシスタント・レフェリー)のチェックでファウルとPKの判定は取り消しになった。
延長後半に決勝点
終盤はスペインの攻勢が続いたが、日本は集中した守備でゴールを許さなかった。ディフェンダーは体を投げ出すようにしてシュートをブロックし、GK谷晃生は素早い反応でビッグセーブを連発した。
双方無得点で決着がつかず延長戦へ。日本は延長後半の立ち上がり、フリーキックから相手をゴール前にくぎ付けにして立て続けにシュートを放つが、スペインは集中して守り抜く。
そして迎えた延長後半10分、スペイン・リーグの強豪レアル・マドリードに所属し、オーバーエイジ枠で出場のFWマルコ・アセンシオが、右サイドでボールを受けると振り向きざまに得意の左足を振り抜く。鋭い弾道のシュートがファーサイド(自身から遠いサイド)のネットを揺らし、均衡を破るゴールが決まった。
同点を狙う日本は終了間際に攻勢を仕掛け、コーナーキックのチャンスにはGK谷も攻め上がった。だが実らず、試合終了のホイッスルが鳴った。
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トランスジェンダー初のメダリスト誕生へ
一方、サッカー女子は2日、茨城カシマスタジアムであった準決勝で、カナダが1-0で優勝候補筆頭のアメリカを下し、初の決勝進出を決めた。
カナダは後半29分、VARの判定で得たペナルティーキックをジェシー・フレミングが決め、この1点を守り切った。アメリカに勝利したのは2001年3月以来。
カナダは銀メダル以上が確定。MFレベッカ・クインは、トランスジェンダーを公表した選手として初めて五輪メダリストになる。
クインは前回のリオデジャネイロ五輪もカナダ代表の一員として出場し、銅メダルを獲得しているが、昨年9月までトランスジェンダーだと公表していなかった。
カナダは6日のオリンピックスタジアム(国立競技場)での決勝で、オーストラリアを破って勝ち上がったスウェーデンと対戦する。
「最悪の気分」
2019年の女子ワールドカップ王者で世界ランキング1位のアメリカは、ベスト8で敗退した前回五輪に続いて、決勝に勝ち上がれなかった。
アメリカは、サッカー女子が五輪種目となった1996年アトランタから2012年ロンドンまで5大会連続で決勝に進み、4個の金メダルを獲得していた。
アメリカのエース、メガン・ラピーノは「最悪の気分。今日はなにもかもうまくいかなかった」と試合後に話した。
「ミスが多すぎた。カナダには負けたくないし、個人的にもカナダに負けた記憶がない。だから、つらい結果だ」
「大会をとおして、チームにはいつものような活力がなかった」と敗退を振り返った。
アメリカとオーストラリアは5日、3位決定戦を茨城カシマスタジアムで戦う。