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卓球女子団体の準決勝で、日本が香港に3―0で完勝し、銀メダル以上を確定させた。ダブルスで石川
第1試合のダブルスで、石川と平野のペアが流れを作っている。「声を出してリズムに乗って、自分たちのプレーができた」と主将の石川は自信を深める。勝利の瞬間も、息の合ったプレーを見せた平野と同時に声を上げた。
ともに東京五輪のシングルス代表を目指した2人。伊藤が頭一つ抜け、残る1枠を争っていたが、なかなか調子が上がらなかった。勝ちたい――。選考争いの最終盤となった海外遠征の出発前に偶然、示し合わせたような願掛けをしていた。
石川は茶色がかっていた髪の毛を久しぶりに黒に染めた。17歳で初めて全日本選手権を制した時以来だったという。「無欲の自分を取り戻したかった」
平野も石川と時を同じくして髪を銀色に染め上げた。銀メダル(2位)をイメージし、世界ランキングで日本勢2番手を射止めたいという思いからだ。「髪を明るくした時に調子がよかったから」と必死だった。
最終的には石川がシングルス代表の座をつかみ、平野は団体戦要員で初の五輪出場を決めた。そんな厳しい戦いを演じてきた2人が今、ダブルスで力を合わせる。「(石川が)すごく声をかけてくれて、自信を持ってできる」と、平野は信頼を寄せる。
決勝の相手と目される中国に勝つには、最初のダブルスが極めて重要だ。銀メダル以上が決まっても満足はできない。一緒に苦しんできた分だけ、初めて味わう金メダルの喜びは大きいはずだから。(今井恵太)