緊急宣言発令の4府県、通勤客の大きな減少見られず…「外出自粛する気持ちがなくなっている」

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 新型コロナウイルスの感染拡大を受け、政府は2日、埼玉、千葉、神奈川、大阪の4府県で緊急事態宣言を発令した。すでに発令中の東京都、沖縄県と合わせ、対象地域を6都府県に拡大した。北海道、石川、京都、兵庫、福岡の5道府県には「まん延防止等重点措置」を適用した。期間はいずれも31日まで。政府は人流抑制のためテレワークを推進しているが、2日朝の4府県の主要駅で通勤客の大きな減少は見られなかった。

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 緊急事態宣言下の都府県は、酒またはカラオケ設備を提供する飲食店に休業要請を行い、それ以外の飲食店には営業時間短縮(午後8時まで)を要請する。

 読売新聞がNTTドコモの「モバイル空間統計」のデータを利用し、2日午前7時台の人出を1週間前の月曜日(7月26日)と比較したところ、梅田駅(大阪市)は4・3%減、千葉駅(千葉市)は3・8%減となったが、横浜駅(横浜市)は0・9%増、大宮駅(さいたま市)も微増だった。

緊急事態宣言が拡大された初日、多くの通勤客が行き交う横浜駅(2日午前8時3分、横浜市西区で)=大石健登撮影
緊急事態宣言が拡大された初日、多くの通勤客が行き交う横浜駅(2日午前8時3分、横浜市西区で)=大石健登撮影

 横浜駅では2日朝、職場に向かうマスク姿の会社員らが途切れることなく改札を出入りしていた。

 駅近くに勤務先がある東京都港区の会社員(23)は、「宣言が出ても人は全然減っていない。効果が薄まっているのではないか」と首をかしげた。川崎市の会社員(53)は「これまでの発令は中途半端。一度発令したなら、感染が大幅に減るまで継続してほしい。治療薬の開発にも力を入れてほしい」と話していた。

 大阪駅も、通勤客で混雑していた。大阪府豊中市の会社員男性(69)は「時差出勤で午前10時過ぎに電車に乗ったが、通勤客らで満員だった」と話し、大阪市浪速区の看護師女性(40)は「もう多くの人に外出を自粛する気持ちがなくなっていると感じる。医療現場は大変で、効果がある対策をしてほしい」と訴えた。

 大宮駅前のホテルには2日朝、テレワークプランの利用客が訪れた。感染拡大に伴って、客室を最大11時間利用できるプランの予約が増え、7月は120件ほど利用があった。2日は午前10時までに予約が5件あり、担当者は「宣言がまた発令されて利用客が増えるかもしれない。感染対策を徹底して部屋を提供したい」と話した。

 千葉駅近くにある飲食店は、宣言期間中は夜の営業をやめ、ランチの時間帯だけ店を開けることにした。経営者(43)は「コンパクトな営業で人件費を抑えながらやっていくしかない」と語った。2日から夜の休業を検討している千葉市の飲食店主は「客足が減っていたので、宣言が出て夜の休業に踏ん切りがついた」とため息をついた。

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