永山治(1)株主総会
後継に新薬開発の夢託す 東芝では「是正」やり抜けず
今年3月23日、中外製薬の株主総会に初めて株主側の席から参加し、最前列に座って役員を眺めた。議長を務めた小坂達朗会長兼最高経営責任者(CEO)、次期CEOの奥田修社長をはじめ壇上の役員は皆、自信をもって中外の現状や今後の経営を語っており、非常にうれしかった。
1年前、名誉会長に退いた。後継者へのバトンタッチをどうするか。5、6年間ずっと考え続けていた案が実ったのを見て、上々の滑り出しだと感じた。...
スイスの製薬大手ロシュ傘下ながら、「自主経営」を貫き時価総額で国内製薬トップに立つ中外製薬。同社で外資との提携を決断したのが永山治さんです。少年時代には、吉田茂の懐刀で、父・時雄氏と交流のあった白洲次郎氏に刺激を受けます。「苦労知らずのぼんぼん」と自らを称しますが、ときに大胆な行動に出ます。ソニー、そして東芝の取締役会議長も務めた永山さんが半生を振り返ります。