山県、スタート悔やむ 陸上男子100で予選敗退

男子100メートル予選3組目で4着に終わった山県亮太=国立競技場(撮影・松永渉平)
男子100メートル予選3組目で4着に終わった山県亮太=国立競技場(撮影・松永渉平)

走り終えた山県亮太(セイコー)が場内のスクリーンを悔しそうに見上げた。31日夜に行われた陸上男子100メートル予選3組、追い風0・1メートルの蒸し暑い空気の中、10秒15で4着。3度目の五輪で初めて準決勝に進めなかった。

マスク姿で引き上げてきた29歳の日本記録保持者は、報道陣に聞こえるように明瞭な口調で「満足いく結果ではない」と言った。原因は事前の調整でも、地元開催の重圧などでもないと考えているという。やりたいレースは、ある程度できた、とも。ただ一つ、スタートには納得していなかった。

「もう少し楽に飛び出したかった。飛び出しのところが、あまりうまくいかなかった」

体が起きるのが早かったか。組の中でトップタイの自己記録9秒95を持ちながら、10秒0台のジャマイカ、南アフリカの選手らを相手に中盤までに抜け出せなかった。

各組4着以下の選手がタイムで拾われて準決勝に駒を進めるには、10秒12が必要だった。全体では9秒台を4人、10秒0台を13人がマークした。気象条件などは異なるが、前回リオデジャネイロ五輪の予選通過ラインが10秒20。9秒台は0人、10秒0台が5人だったことと比べると、レベルは上がっている。

終始、冷静に取材に答えた山県。「準決勝のラインが高めなのは予想外だけど、(10秒)0台を出せば問題なく通れたと思えば、若干悔いが残る。何が良くなかったか、もう少し時間を置いて考えないといけない」。メダル獲得が期待される5日の400メートルリレー予選に向けて修正を図る。(宝田将志)

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