NYダウ反落149ドル安 Amazon急落でハイテク株売り
【NQNニューヨーク=古江敦子】30日の米株式市場でダウ工業株30種平均は反落し、前日比149ドル06セント(0.4%)安の3万4935ドル47セントで終えた。29日夕に四半期決算を発表したネット通販のアマゾン・ドット・コムが急落し、投資家心理が悪化。主力ハイテク株に売りが波及したほか、月末とあって持ち高調整の売りが景気敏感株の一角に目立った。
アマゾンの2021年4~6月期決算は売上高が18年7~9月期以来、11四半期ぶりに市場予想を下回った。新型コロナウイルスのワクチン普及に伴い経済活動の正常化が進んだ結果、本業のネット通販の増収率が鈍化した。7~9月期業績も伸び率が低下するとの見通しを示し、株価は8%下げた。ソフトウエアのマイクロソフトや顧客情報管理のセールスフォース・ドットコムなど主力ハイテク株に売りが波及。ダウ平均の構成銘柄以外ではグーグルの親会社アルファベットと交流サイトのフェイスブックが下落した。
30日発表の四半期決算で売上高総利益率の低下見通しを示した建機のキャタピラーが3%下げた。航空機のボーイングや映画・娯楽大手ウォルト・ディズニー、化学のダウなど景気敏感株の一角には、月末を控えた持ち高調整の売りも出た。
一方、朝方発表の四半期決算が市場予想を上回った日用品のプロクター・アンド・ギャンブル(P&G)は2%上昇した。6月の米個人消費支出の伸びが市場予想を上回ったことから、スポーツ用品のナイキや小売り最大手のウォルマートなど一部の消費関連銘柄が上昇した。
7月のダウ平均は2カ月ぶりに上昇し、月間では432ドル(1.3%)高となった。
ハイテク比率が高いナスダック総合株価指数は3日ぶりに反落し、前日比105.586ポイント(0.7%)安の1万4672.678で終えた。エヌビディアやクアルコムなど半導体株の一角が下げた。
ナスダックは7月に2カ月連続で上昇し、月間では168ポイント(1.2%)高となった。