悲願の金メダルへ、サッカー男子日本代表がMF久保建英(20=レアル・マドリード)の3戦連発で決勝トーナメントに進出した。31日の準々決勝(カシマ)で、B組2位のニュージーランドと対戦する。

   ◇   ◇   ◇

オーバーエージ(OA)枠のDF酒井宏樹(31=浦和)が、決勝トーナメント進出を引き寄せる追加点を挙げた。前半34分。FW上田がペナルティーエリア中央でシュート。相手GKが上に弾いたところ、右サイドを駆け上がってきた酒井が右足でダイレクトで合わせた。「GKは弾くと思って信じて走り込んでいた」。ダイレクトの選択に「トラップだと僕の技術ではどうかなと思ったので…。落ち着いて決められて良かった」と振り返った。

16年夏からフランス1部・マルセイユで5季プレーした。今大会でフランスと同組で、元同僚のFWトーバン(ティグレス)が代表として来日したことにも運命を感じた。マルセイユ時代、チームが苦しいとき、酒井とトーバンでチームを良くしていった自負があり「親友。彼がいたから5年もプレーできた」。トーバンがメキシコのクラブに移籍したことが、酒井の日本復帰の後押しにもなったという。

前半44分には今大会で2枚目の警告を受けた。準々決勝のニュージーランド戦は出場停止だが「責任は感じているが、判断ミスではなかった。取れると思っていった」と後悔はしていない。試合後は、親友トーバンと言葉を交わした。本当の別れだと思うと普段、泣かない酒井にもこみあげてくるものがあった。「あとは仲間を信じて。この勝利はしっかりと味わいたい」。仲間を信じ、4強入りを待つ。そして、準決勝から再び、ロンドン五輪で届かなかったメダルに向け体を張る覚悟だ。

◆累積警告 DF酒井は通算2枚目の警告を受けたため、31日のニュージーランドとの準々決勝は出場停止。中山、遠藤、堂安、冨安、田中の5人もここまで1枚の警告を受けており、ニュージーランド戦でイエローカードをもらうと、勝ち上がったとしても準決勝は出場停止となる。なお、累積警告は準決勝前に帳消しとなる。