メダルまで0・816点 体操日本女子、悔しさに涙

【東京五輪2020 体操】〈女子団体決勝〉順位が確定し、健闘を称え拍手をする村上茉愛(右)ら=27日、有明体操競技場(川口良介撮影)
【東京五輪2020 体操】〈女子団体決勝〉順位が確定し、健闘を称え拍手をする村上茉愛(右)ら=27日、有明体操競技場(川口良介撮影)

体操女子団体総合決勝は27日行われ、村上茉愛(日体ク)畠田瞳(セントラルスポーツ)平岩優奈(戸田スポーツク)杉原愛子(武庫川女大)の日本は4種目合計163・280点の5位で、1964年東京五輪3位以来のメダル獲得はならなかった。

試合後、エースの村上は悔し涙をこらえていた。「バー(段違い平行棒)がもう1点上がると考えると、3番に入れていた。チームのみんなに申し訳ない」。3種目目の段違い平行棒で自身が失敗をしてしまったのだ。

冒頭の離れ技でバーに近付きすぎて右手が外れた。何とか左手1本でぶら下がり演技を続行したものの、12・700点と得点を伸ばせなかった。2日前の予選で、同じ離れ技でバーから遠くなって落下した残像が頭にあり、「不安になったり、考えたりしすぎた」という。

悪いことは重なり、この時、右肘を痛めてしまう。最後の平均台。「諦めたくなかった。無になってやろう」。丁寧な演技で13・833点。予選より得点を上乗せできたうれしさと、思った以上の痛さで涙が出た。

1964年東京五輪の銅メダル以来となる表彰台には届かなかった。3位英国に0・816点まで迫っての5位。前回リオデジャネイロ五輪は4位だったが、点差は1・632点。順位こそ1つ落としたものの、メダルまでの距離は縮まった。

村上は「リオの時は『もう少し頑張っていれば』と思ったが、今回は私たちが全力で頑張って準備してきた結果がこれ」と受け止め、田中光監督は「メダルを取るためには、日本の強み、より正確で美しい体操を作っていくことが課題だ」と総括した。(宝田将志)

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