日本が米国を下し、前回実施された08年北京五輪に続く金メダルを獲得した。4回に渥美万奈内野手(32)の内野安打で先制すると、5回には藤田倭投手(30)の右前適時打で貴重な追加点を挙げた。投げては先発上野由岐子投手(39)が、6回途中無失点の好投。7回もリエントリーで無失点に抑えて米国を沈め、頂点に立った。

13年たっても上野はすごかった。宇津木監督が手を合わせて祈る中、最後の打球が捕手の我妻のミットに収まると、両手を挙げて喜びを爆発させた。。宇津木監督と涙を流して抱き合った。その後、3度の胴上げで宇津木監督が宙に舞った。

初回から捕逸でピンチを招くなど不安定な立ち上がり。5回まで1安打ながら、内容は悪かった。6回無死、2安打目を許したところで、後藤に交代。それでもやはり最後は上野に託された。「途中リリーフで投げてくれた後藤が顔面蒼白(そうはく)で投げてくれていたのをみて、自分がやってやるんだって奮い立たせてくれた。気持ち強く投げられて、本当に良かったと思います」。7回にリエントリーで再びマウンドに戻り、3者凡退で締め、胴上げ投手になった。

08年の金メダル後、燃え尽き症候群のようになることもあった上野。「13年っていう年月を経て、最後にあきらめなければ夢がかなうとたくさんの方々に伝えられたと思う。ソフトボールは次回からなくなるが、諦めることなく、しっかり前に進んで行けたらいいなと思う」。13年間の思いを乗せた魂の投球で、悲願の金メダルに輝いた。