俳優市村正親(72)篠原涼子(47)が24日、所属事務所を通し、この日離婚したと発表した。長男(13)と次男(9)の親権は市村が持つ。2人はコメントを出し、新型コロナの家庭内感染防止のため別居したことがきっかけになったと明かした。慰謝料、財産分与はなく会見の予定もない。共演がきっかけで05年結婚。おしどり夫婦が、15年でピリオドを打った。東京オリンピック(五輪)開幕翌日の大型「熟年離婚」電撃発表に、驚きが広がった。

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市村と篠原は直筆署名入りコメントで離婚を報告、経緯を説明した。市村は「昨年のコロナによって撮影中は家庭内感染を防ぐ事からも、別居し役者業に取り組む生活をするようになりました。しかし作品が続いたことで別居が基本のスタイルとなり、夫婦、親、互いに役者として、新たなカタチを考えるようになりました」。篠原も「私たちなりの新しい形・環境をつくって参りたいと二人で話し合いました」と記した。

昨年8月、一部で別居が報道された。ただ、篠原がドラマ撮影中のため、家族に感染させないためのコロナ対策だという趣旨の、関係者の話も報じられていた。こうしたコロナ対策の別居が新しい生活として定着していったとみられる。

この1年、2人とも仕事は順調。市村はミュージカル「屋根の上のヴァイオリン弾き」「生きる」などに主演、10月にも主演ミュージカル「オリバー!」が控える。篠原も昨年日本テレビ系連ドラ「ハケンの品格」第2弾に主演。今年にかけNHK連続テレビ小説「おちょやん」にも出演、豪快な演技で話題になった。

互いを役者として認め尊重する姿勢は変わらない。市村は「涼子との出会いは私の人生最大の喜びです。何より私も女優篠原涼子の一ファンとして、彼女がより一層女優として輝き、母としても生きていく道を歩ませたいという思いに至りました」と記述。篠原も「舞台俳優の市村さんからは結婚する前も、してからも学ぶことばかりで尊敬の念にたえません。この姿勢は今もこれからも変わる事はありません」とした。

2人の間には08年に長男、12年に次男が誕生している。自身の強い希望で親権を持つことになった市村は今後の篠原との関係について「新たなカタチのパートナーとなり、子どもを支えていきたい」とつづった。

25歳差や周囲の反対を乗り越えて結婚した2人。14年に市村が胃がんを患い復帰した際「妻は命の恩人」とし、篠原も「家族みんなでサポートしていきます」とコメントした間柄だった。特に篠原は、父の猛反対に「私には私の人生がある」と強く訴え、結婚に至ったという。強いきずなだったが、コロナ禍が2人の形を変えてしまった。

◆市村正親(いちむら・まさちか)1949年(昭24)1月28日、埼玉県生まれ。74年劇団四季入りし「エクウス」「オペラ座の怪人」などに出演して看板俳優に。90年の退団後も、ミュージカル「ミス・サイゴン」など舞台を中心に、ドラマや映画にも出演。84年に女優八重沢真美と結婚し、03年に離婚。07年に紫綬褒章を受章。170センチ。血液型A。

◆篠原涼子(しのはら・りょうこ)1973年(昭48)8月13日、群馬県生まれ。90年に東京パフォーマンスドール加入。94年シングル「恋しさと せつなさと 心強さと」が大ヒットしNHK紅白歌合戦に初出場。04年日本テレビ系「光とともに…」で連続ドラマ初主演、その後も「アンフェア」「ハケンの品格」など話題ドラマに主演。162センチ。血液型B。