センバツ優勝 東海大相模 メンバー17人コロナ感染で出場辞退

ことしのセンバツ高校野球で優勝した相模原市の東海大相模高校が、現在行われている夏の全国高校野球神奈川大会の登録メンバーに新型コロナウイルスへの感染が確認された人が出たとして、準々決勝まで進んでいた県大会への出場を辞退したことが分かりました。

これは24日、神奈川県高等学校野球連盟が明らかにしました。それによりますと、東海大相模高校から登録メンバーのうち17人が新型コロナウイルスに感染していることが確認されたため、野球部の活動が禁止になったとして出場を辞退する申し出があったということです。

これにより、24日予定されていた全国高校野球神奈川大会準々決勝で東海大相模高校と対戦する予定だった藤沢翔陵高校は不戦勝となりました。

東海大相模高校は相模原市にある私立高校で、昭和38年の開校と同時に野球部も創部され、夏の甲子園では2回の優勝を果たしているほかセンバツ大会でも平成12年と平成23年に続きことしの春も優勝していて、春夏連覇への期待がかかっていました。

門馬敬治監督「生徒対応を最優先に、感染拡大防止に全力」

東海大相模高校によりますと21日、野球部の寮で生活していた部員1人が体調不良を訴え、翌日PCR検査を受けたところ、新型コロナウイルスへの感染が確認されたということです。

これを受けて23日、寮生を中心に40人余りについて検査したところ、新たに部員20人と教員1人の合わせて21人の感染が確認され、このうち17人は夏の全国高校野球神奈川大会の登録メンバーでした。感染経路はまだわかっていないということですが、学校では今後、寮生以外の部員についても検査を進めていくことにしています。

ことしの春も含め、これまでに4度の甲子園優勝を果たし、この夏での退任を表明している門馬敬治監督は「大会を辞退することになり関係者の皆様に深くおわび申し上げます。保健所と連絡を取りながら、生徒への対応を最優先に感染拡大を防ぐことに全力を注いでいます」とコメントしています。

地元のすし店主「かわいそうでつらい。コロナに負けてしまった」

東海大相模高校野球部となじみの深い地元の寿司店からは突然の大会辞退を悲しむ声が聞かれました。学校の近くにある寿司店「六ちゃん」は野球部員には通常の3倍の量の海鮮丼を特別な価格で提供するなど、長年、部を応援してきました。

この夏で退任する門馬敬治監督も高校生のころから常連の1人だということで、店主の紅林秋男さんは24日朝も、氷70キロを持って学校に差し入れにいったということです。しかし、選手が誰もおらず、おかしいと思っていたところ出場の辞退を知ったということです。

紅林さんは「ショックで頭が真っ白になり、監督や選手のことを思うとかわいそうでつらい。試合に負けたのではなくコロナに負けてしまったので、こんな終わり方はない。コロナは本当に人生をむちゃくちゃにするつくづく恐ろしいものだ」と心を痛めていました。

高野連のガイドライン「校長が参加の可否を判断する」

高野連=日本高校野球連盟は夏の全国高校野球の地方大会に出場する各学校の野球部員などに新型コロナウイルスの感染者が出た場合の対応について先月発表した感染対策のガイドラインで方針を示しています。

この中では「感染者、感染が疑われる者の人数や行動歴、保健所の指示を踏まえ、当該校校長が参加の可否を判断する」としています。

そのうえで「大会の主催者は校長の判断を尊重し対応する。しかし、集団感染や集団感染が予見されるなど当該校の感染状況によっては出場を差し止めることもある」としています。

この方針のもと、各都道府県の高野連の中には地元の教育委員会などの意見も踏まえ出場の可否についてさらに具体的な判断基準を設けているケースもあります。