ブルーインパルスに歓喜、3世代で観覧「記憶つないだ」

5色のスモークをはいて東京の空を飛ぶブルーインパルス=23日、東京都渋谷区(飯田英男撮影)
5色のスモークをはいて東京の空を飛ぶブルーインパルス=23日、東京都渋谷区(飯田英男撮影)

23日午後、東京五輪の開幕を祝った航空自衛隊「ブルーインパルス」のアクロバット飛行。5つの機影が姿を現した瞬間、東京・渋谷の東急百貨店屋上に集まった観客からは大きな歓声が上がり、スマートフォンを次々に空に向けた。

ブルーインパルスの編隊5機は上空で大きく旋回し、五輪マークを描く5色の筋を残しながら、真っすぐ空の先へ。消え去った機体が再び現れ、大きな弧を描き始めると、人々は再び沸き立った。

都内在住の女性(70)は57年前、同じ渋谷の街で見た光景を思い出していた。1964年10月10日の前回東京五輪開会式。ブルーインパルスは前日の飛行に失敗しており、不安な気持ちで眺めていたが、当日は上空できれいな5つの輪が完成した。

「前日の失敗を見ていただけに、成功したときの感動はいまだに覚えている」。当時は高度経済成長の真っただ中。渋谷は今ほどビルが林立しておらず、全ての輪がくっきりと地上から見えた。

この日は小学1年の孫と観覧。5つの輪はビルに隠れ、青、黄、赤の3つしか見えなかったが、「大感激」。「見えたね」と話す孫の手を引き、世代を超えて記憶をつないだ満足感を胸に会場を後にした。

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