FDAは前日、米ファイザーの新型コロナ経口治療薬「パクスロビド」の緊急使用を承認。米国でもオミクロン変異株の感染が急拡大する中、自宅で服用可能な飲み薬は新型コロナ感染症の新たな対策として期待されている。FDAは重症化リスクが高い成人、および他の治療法が選択できない患者が軽・中度の症状を示している場合にモルヌピラビルの使用を認めた。ただ、骨と軟骨の成長に影響が出る可能性があることから、18歳以下への使用は許可しなかった。
ファイザーのパクスロビドは12歳以上に対する使用が許可されたほか、高リスクの新型コロナ患者の入院と死亡を引き下げる効果は約90%。メルクの治療薬の有効率がファイザーと比べて低いことで、将来的な販売に影響が出るとの見方も出ている。 ファイザーのパクスロビドは2種類の錠剤で構成し、このうち1つの「リトナビル」は従来から使用されている抗ウイルス薬。リトナビルは他の処方薬に反応することが知られているため、一部の患者には適切でない可能性がある。 メルクの感染症・ワクチン臨床試験担当シニアバイスプレジデント、ニック・カートソニス氏は「モルヌピラビルは効果を高めるための2つ目の錠剤を投与する必要がなく、肝臓や腎臓に問題を抱える人を含む幅広い患者に投与できる」と指摘。メルクは、モルヌピラビルはオミクロン株を含む新型コロナのあらゆる変異株に対し効果があるとしている。
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