矢野阪神は大幅なオーダー変更も不発に終わった。

打撃下降の主軸ジェリー・サンズ外野手(33)と佐藤輝明内野手(22)を外し、この日再昇格させたメル・ロハス・ジュニア外野手(31)を3番起用するなど打線を改造。だが、先発西勇輝投手(30)の序盤7失点も響き、主導権を握られたまま1得点に終わった。試合のなかった2位巨人が1・5ゲーム差に接近。消化試合数の関係で3日にも首位陥落の可能性が出てきた。

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セ界首位の矢野阪神が追い詰められた。今季最大級の大幅な打線を組み替えて臨んだが、初対戦の20歳の左腕玉村を7回1得点と打ち崩せず惨敗。リーグ戦再開後4勝8敗1分けと失速し、雨で試合中止となった2位巨人との差は1・5ゲーム差に縮まった。矢野監督は「(玉村は)タイミングもちょっと手が遅れてくるからというのはあるにしても、今のチームの全体の調子というのもね。そういうところもかみ合わなかったかな」と悔しそうに話した。

この日1軍昇格したロハスを3番、同じく昇格した山本を即スタメンで起用。4番には今季初めてマルテを置き、5番大山、6番小野寺と並べた。「いったんベンチから試合を見るとか、離れてみるということで、違うものが出てくれたら」と、7試合ノーアーチだった佐藤輝も今季2度目のスタメン落ち。自己ワーストの22打席連続無安打の中野、直近3試合で4番を務めたサンズも外した。

だが、どうも波に乗れない。5月29日の西武戦(メットライフドーム)以来、34日ぶりの1軍戦となったロハスは、初回にいきなり中前打を放った。ところが、続くマルテの打席で果敢に二盗を狙ったが、挟殺されタッチアウト(盗塁死)。その後はノーヒットと2三振を含む4打数1安打と空回り。期待されたカンフル剤の役目を果たせなかった。

交流戦明け13試合の1試合平均得点は、リーグワーストの2・5点。立て続けに主力が不調に陥る緊急事態だ。この日は先発西勇の2回7失点も追い打ちをかけた。矢野監督は「1人ずつがちょっとでも調子上がるようにしたいし、逆に言うと、ピッチャーも踏ん張る。両方でカバーし合いながらやっていく必要がある」と力を込める。引き分け数の関係で、3日にも首位陥落の可能性が浮上。矢野阪神が正念場を迎えた。【桝井聡】

▼阪神が2位に1・5差とされたのは、4月29日以来64日ぶり。最短3日に首位から陥落する。阪神●なら43勝28敗3分けで勝率6割5厘6毛、巨人○なら40勝26敗10分けで6割6厘。引き分け数が阪神3に対し巨人は10もあり、勝利数に対する分母が阪神より巨人の方が少ないことから生じる珍事だ。このとき両軍の貯金は阪神15、巨人14と阪神の方が多いため、巨人は阪神に「マイナス0・5ゲーム差」の首位となる。

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