「車に乗って案内して」声かけに逃げる児童…不審者役の県警職員「見た目ではわからない」

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 不審者による18歳以下の子どもへの声かけや、つきまとい被害について、被害者の約8割を女子が占め、小学生の被害は午後2~6時の下校時間帯に集中していることが、山形県警の過去5年間のまとめでわかった。(中田隆徳)

 県警人身安全少年課によると、2016~20年の過去5年間に、県内で発生した不審者による子どもへの声かけや、つきまといなどの認知件数は1071件あった。

 被害者のうち、小学生は44%、中学生が20%、高校生が34%を占めた。男女別にみると、女子の被害者が843件と79%にのぼった。

 時間帯では、午後2~8時の発生が767件を占め、特に小学生は午後2~6時の下校時間帯に77%の被害が集中していた。

 同課の土谷孝次長は「登校時より、バラバラになりやすい下校時が狙われやすい」と指摘する。

 不審者による声かけは、誘拐やわいせつなどの犯罪に結びつく恐れがある。

 昨年9月、鶴岡市内で午後4時頃に1人で歩いて下校していた女子児童は、20歳代の男から「ちょっと来て」と声をかけられた。腕を引っ張られ、車に乗せられそうになったが、女児が防犯ブザーを鳴らしたため、男は立ち去った。男は翌日、略取未遂の疑いで逮捕され、わいせつ目的の犯行として起訴された。

 子どもたちに直接、声かけの危険性を訴える取り組みも行われている。

防犯教室で不審者役から逃げる児童(5月25日、山形市桜田東の桜田小で)
防犯教室で不審者役から逃げる児童(5月25日、山形市桜田東の桜田小で)

 5月25日に山形市桜田東の市立桜田小学校で開かれた防犯教室には、1年生43人が参加。ワイシャツとズボン姿の県警職員が、代表の児童に「駅に行きたいけどわからないから車に乗って案内して」などと声をかけ、不審者を実演した。

 児童たちは声を上げながら逃げたが、県警職員は「不審者は見た目ではわからない。逃げるときは、もっと大きな声を上げ、周りに助けを求めて」と呼びかけた。一目散に走った、男子児童(6)は「助けてとうまく言えなかったけど、今度からはしっかり言えそう」と話していた。

 土谷次長は「通学路で1人になる場所の確認や、防犯ブザーの使い方などを家庭でも子どもたちに伝えてほしい」と呼びかけている。

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2144419 0 社会 2021/06/22 08:09:00 2021/06/22 08:09:00 2021/06/22 08:09:00 https://www.yomiuri.co.jp/media/2021/06/20210621-OYT1I50035-T.jpg?type=thumbnail

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