池袋暴走事故公判 遺族が被告人質問実施へ

松永拓也さんの妻、松永真菜さんと長女の莉子ちゃん(拓也さん提供)
松永拓也さんの妻、松永真菜さんと長女の莉子ちゃん(拓也さん提供)

東京・池袋で平成31年4月、乗用車が暴走して通行人を次々とはね、松永真菜(まな)さん=当時(31)=と長女、莉子(りこ)ちゃん=同(3)=が死亡した事故で、自動車運転処罰法違反(過失致死傷)の罪に問われた旧通産省工業技術院の元院長、飯塚幸三被告(90)の公判が21日、東京地裁(下津健司裁判長)で始まった。この日は真菜さんの夫、拓也さん(34)が被害者参加制度を利用して被告人質問を実施する。これまで無罪主張を続けてきた飯塚被告に対し、遺族がどのような質問をぶつけるのか注目される。

飯塚被告は昨年10月の初公判で「心からおわび申し上げる」と遺族に謝罪したものの、一貫して車の故障を訴え無罪を主張している。

今年4月に行われた前回の被告人質問では、検察官が事故車両のドライブレコーダーの映像と飯塚被告の供述との間で齟齬(そご)があり、事故直前の走行状況など複数の点で記憶違いがあると指摘。検察官から改めてアクセルとブレーキを踏み間違えた可能性について問いただされたが、飯塚被告は「踏み間違えたという記憶は一切ない」と強い口調で答えていた。

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