Ｇ７は増長中国に無力なのか

先週末に英国南西部コーンウォールで開かれた先進７カ国首脳会議（Ｇ７サミット）で首脳が中国を批判したが、国際秩序を無視する中国の習近平政権に行動を改める気配はない。Ｇ７は増長一途の中国に対し無力なのか。だとしたらなぜそうなるのか。

■　□　■

首脳声明の中国関連部分は、中国に対峙（たいじ）するＧ７サミットの軟弱さがにじみ出ている。例えば、新型コロナウイルスについて、世界保健機関（ＷＨＯ）はことし３月、中国武漢が起源ではないとする中国側の言い分をほぼうのみにした調査報告をまとめた。サミット声明には、中国を含め「ＷＨＯによる第２段階の新型コロナウイルスの起源に関する調査の実施を求める」と書き込んだ。調査対象を中国に限定しない。しかも「求める」の原文は「ＣＡＬＬ　ＦＯＲ」。この成句は例えばレストランで注文のために従業員を「呼ぶ」というような軽さだ。本気で要求するつもりなら、「ＤＥＭＡＮＤ」にしたはずである。腰が引けている。