太陽光ある限り飛び続ける、超軽量ソーラー無人飛行機…東海大開発で世界最優秀賞

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東海大学が開発したソーラー無人飛行機(大学提供)
東海大学が開発したソーラー無人飛行機(大学提供)
無人機開発に携わった福田准教授(左)と木村教授(東海大学で)
無人機開発に携わった福田准教授(左)と木村教授(東海大学で)

 東海大工学部航空宇宙学科(神奈川県平塚市)が設計、開発した超軽量ソーラー無人飛行機が、2日にオンラインで開かれた世界規模の複合材展示会「JECワールド」の代替イベントで、航空宇宙部門の最優秀賞を受賞した。太陽光があればいつまでも飛び続けることができる飛行機で、災害時に途絶した通信を中継することなどが期待される。関係者は「今後も、生活を豊かにする技術を開発したい」と話している。(小沢克也)

 無人機は、通信衛星事業などを手がける「スカパーJSAT」(東京都港区)が、新エネルギー・産業技術総合開発機構(NEDO)の「ロボット・ドローンが活躍する省エネルギー社会の実現プロジェクト」に応募し、2017~19年度の事業として製作。東海大は、ソーラーカーに関して世界トップレベルの技術とノウハウを持ち、16年には乾電池を動力源にした有人飛行を実現した実績があることから、設計、開発を担うことになった。炭素繊維の部品製造は「東レ・カーボンマジック」(滋賀県米原市)が担当した。

 無人機は全長約6・6メートルで、翼は長さ約16メートル、幅は最長約72センチ。軽い炭素繊維でできた機体の翼の上に太陽光パネルを敷き詰め、本体に蓄電池や自動操縦装置、通信機器を搭載しても、総重量は約90キロ・グラムで、巡航速度は秒速約20メートルだ。

 開発責任者の福田紘大准教授(43)は「できるだけ低速で飛べるように工夫し、消費エネルギーも低くした」と話す。19年9月のテスト飛行では、自動操縦で飛行。通信衛星からの電波を中継することにも成功した。

 開発に携わった電気電子工学科の木村英樹教授(56)は「狭い場所でも離着陸できる飛行機にしたい」と次の目標を語った。

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2120280 0 科学・IT 2021/06/12 22:46:00 2021/06/12 22:46:00 2021/06/12 22:46:00 https://www.yomiuri.co.jp/media/2021/06/20210611-OYT1I50033-T.jpg?type=thumbnail

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