ごく簡単に説明しよう。機械学習システムはまず、「構築フェーズ」に入り、必要なすべての計算(手順)を表すグラフを作成する。次に「実行フェーズ」に入り、グラフで表現された計算を使用してトレーニングプロセスを実行する。その動作を完了すると、データを送ったり受け取ったりするための「経路」をつくる。グラフコアの画像には、その経路の動きと各経路の結合部分が、さまざまな色で表現されている。
「この画像を見れば、プロセッサー上で計算グラフがどのように動作しているのかがわかります。脳の活動の様子を見るために、脳スキャン画像を撮るのと似ています」と、グラフコアのナイジェル・トゥーンCEOは『WIRED』UK版に語る。 「この画像が(人間の)脳スキャン画像に驚くほど似ているという事実は、人間の脳とAIの動作が非常によく似ていることを示しています」とトゥーンは言う。「人間の脳には神経細胞があり、各神経細胞はシナプスによって結合されています。人間も、この機械学習と非常によく似たモデリング動作を効率的に行っているのです」「画像を見ると、ディープニューラルネットワークの多層が確認できます。ディープニューラルネットワークは、データから特徴を自動的に抽出しようとします。データストリームを与えると、詳細なディテールをどんどん抽出していくのです」
グラフコアによれば、画像の作成に使用したこのプロセッサーは、2017年中に開発が完了する予定だ。同社はさらに、機械学習のAIを動かすのに最適なコンポーネントだと同社が主張するインテリジェント・プロセッシング・ユニット(Intelligent Processing Unit:IPU)の開発に取り組んでいるという。
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