大規模緩和「当面続く」、FRBのウォラー理事
【ワシントン=大越匡洋】米連邦準備理事会(FRB)のウォラー理事は13日の講演で「米連邦公開市場委員会(FOMC)は当面、金融緩和政策を維持するとみている」と述べ、大規模な金融緩和策を急いで修正する必要はないとの認識を示した。
ウォラー氏は4月の米消費者物価指数(CPI)が市場予想を大きく上回り、前年同月比で4%を超える高い伸びとなったことについて「驚きだった」と認めた。同時に「一時的な物価上昇要因が一気に起きた」との見方を強調した。
足元の米経済は「好調」としつつ「深い穴から抜け出し、新型コロナウイルス禍が起きる前の水準に戻ろうとしているだけであることを忘れてはいけない」と指摘。「我々は結果に基づいて行動する。政策スタンスを調整する前に、経済にさらなる著しい進展があるかどうか確かめるため、もっとデータを見る必要がある」と語った。
ウォラー氏は物価を押し上げている「一時的な要因」として①前年の低迷の反動②エネルギー価格の上昇③巨額の財政出動④貯蓄率の高まり⑤供給制約⑥強い労働需要――の6つを挙げた。