ミャンマーで拘束の邦人記者を解放へ 14日にも帰国
【ヤンゴン=新田裕一】ミャンマー国軍報道官は13日夜、4月に治安当局に拘束された日本人フリージャーナリスト、北角裕樹さん(45)が14日に解放され、同日中にミャンマーを出国すると明らかにした。すでに刑務所を出て警察の宿泊施設に移ったという。
ミャンマー国軍系テレビは13日、北角さんが釈放されると報じていた。国軍系テレビは「法は犯したが、日本とのこれまでと今後の友好関係を鑑みて起訴を取り下げる」と伝えた。
北角さんはミャンマー在住で、国軍によるクーデターへの抗議デモを取材し、SNS(交流サイト)などで情報を発信していた。4月18日、最大都市ヤンゴンの自宅で逮捕され、その後、ヤンゴン市内にあるインセイン刑務所に移されていた。虚偽のニュースを広めた罪に問われ、起訴されていた。
北角さんは元日本経済新聞記者。現地の日本語情報誌の編集長を経て、その後はフリーで活動していた。
ミャンマー国軍は2月のクーデター後に刑法を改正し、国軍を批判したり、不服従運動を支持したりする言論の取り締まりを強化した。釈放にあたり、国軍系テレビは、ミャンマー問題を担当する日本政府代表の笹川陽平・日本財団会長からの要請があったことも明らかにした。
ミャンマー国軍は2021年2月1日、全土に非常事態を宣言し、国家の全権を掌握したと表明しました。 アウン・サン・スー・チー国家顧問率いる政権を転覆したクーデターを巡る最新ニュースはこちら。