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12日の新型コロナウイルスワクチンの予約システム障害で、自治体などは対応に追われた。
75歳以上の高齢者への接種を進めている東京都目黒区では、集団接種会場で予約の有無が確認できなくなった。接種券を持参した人は予約が取れているとみなし、この日予定していた約2000人の接種を進めた。
周辺3町村の予約も担う群馬県富岡市のシステムが復旧したのは午後4時頃。担当者は「ワクチンは十分に確保しているので、焦らず13日以降に予約してほしい」と話した。
長崎県佐世保市では市のワクチン接種予約サイトが閲覧できなくなり、問い合わせが20件以上寄せられた。
大阪府では医療従事者向けの接種予約システムにも影響が生じ、一時、医療機関から問い合わせが殺到。厚生労働省の配送・在庫管理システムも一時使えなくなった。
障害の原因は、一部システムに利用されていた米企業「セールスフォース・ドットコム」のクラウドサービスのトラブルだ。
インターネットを通じてデータ保管などができるクラウドサービスは、企業や自治体で利用が急拡大しているが、同社のサービスでは昨年末以降、企業や自治体の個人情報が外部から閲覧できたことが相次いで判明。米アマゾン傘下企業のサービスでも障害が起きた。
ITコンサルタントの赤澤仁士さんは「利用者は、クラウドサービスに頼り切るのではなく、障害発生も想定しておくことが重要だ」と指摘する。