ワクチン接種予約システムに障害、多数の自治体で予約確認できず…受け付け停止も

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 全国の自治体が運用する新型コロナウイルスワクチンの予約システムで12日、システム障害が発生し、多数の自治体で予約が確認できないなどのトラブルが相次いだ。システムで利用されている米国企業のサービスで障害が起きたのが原因とみられる。厚生労働省がトラブルによる影響などを調べている。

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新型コロナワクチン接種予約受け付けの一時中止を知らせる目黒区のホームページ(12日午前11時35分)
新型コロナワクチン接種予約受け付けの一時中止を知らせる目黒区のホームページ(12日午前11時35分)

 厚労省などによると、米国企業は「セールスフォース・ドットコム」。同社が自治体や企業向けに提供しているデータ保管サービス(クラウドサービス)で障害が発生したという。全国の多数の自治体で予約ができなくなったほか、配布されたワクチンの量や接種実績の閲覧や入力ができない状況になったという。

 東京都目黒区では、75歳以上の高齢者約2000人の集団接種を実施する予定だったが、会場を訪れた人が実際に予約をしているかどうか確認が取れない状態になった。会場を訪れた人については、予約が取れているとみなして接種を進めた。一時、電話などでの新規予約も受け付けられない状態となった。東京都狛江市でも一時的に職員がシステムにログインできなくなった。

 金沢市では、ワクチン接種の予約受け付けシステムに不具合が発生し、コールセンターでの電話予約の受け付けや無料通信アプリ「LINE(ライン)」を使った予約の受け付けを停止した。原因は調査中で、復旧の見込みはたっていないという。静岡県磐田市でも接種の予約ができなくなった。

 セールスフォースのサービスを巡っては、4月時点で利用している国内の38の自治体や企業の個人情報などが外部から閲覧できる状態だったことが判明。一部で外部の第三者による閲覧の形跡も見つかった。内閣サイバーセキュリティセンター(NISC)は、情報の流出リスクが拡大する恐れがあるとして、自治体や企業に注意を呼びかけていた。

 セールスフォース・ドットコム日本法人は「世界規模で当社のサービスに障害が起きている。障害の原因を調べ、復旧を急いでいる」とコメントした。

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