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経団連は10日、中西宏明会長(75)が6月1日付で辞任し、住友化学の十倉雅和会長(70)が後任に就くと発表した。リンパ腫を患っていた中西氏から「再々発の可能性が高まった」として辞任の意向が示され、10日の理事会で十倉氏が選任された。
中西氏の任期は来年6月までで、経団連会長が任期途中で辞任するのは異例。中西氏から後任に推された十倉氏は10日、記者会見を開き、「受けることに義があると思った」と述べた。6月1日に就任し、任期は2025年までの2期4年となる。
日立製作所会長の中西氏は、18年に経団連会長に就任。19年に体調を崩して入院し、リンパ腫と診断された。療養後、2期目に入った昨夏に再発し、入院先の病院からテレワークで執務に当たっていた。10日の会見で、経団連の久保田政一事務総長は、4月13日に中西氏から電話で退任の意向が示されたことを明らかにした。
中西氏は在任中、経団連が各企業に対し、就職活動の日程を定めた「就活ルール」を指針として示す慣行を取りやめた。経団連の執行部への女性経営者の登用拡大などにも取り組んだ。
十倉氏は、住友化学での海外子会社設立など、国際経験が豊富で、経団連では15年から4年間、副会長を務めた。