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人類の活動は、地球に様々な爪痕を残してきた。人類が地球に大きな影響を与えている地質学上の時代(地質時代)を、ジュラ紀や白亜紀のように、「
コンクリや金属 人工物1兆トン超す
コンクリートや金属など地球上にある人工物の総重量が2020年、生物の総重量を上回った――。昨年12月、イスラエルの研究機関が英科学誌ネイチャーに発表した推計だ。20世紀初めには生物の3%に満たなかった人工物は、工業化の進展に伴って爆発的に増加し続け、1兆トンを超えた。
人工物のうち約半分はコンクリートが占める。アスファルトは6%。地球の表面を建物や道路などが覆い尽くしていく様子が脳裏に浮かぶ。20年後には人工物が今の2倍になるという。一方、生物量はやや減少傾向で、森林破壊などの影響が表れているという。研究チームは、「(人間の活動が地球に大きな影響を及ぼしている)人新世を特徴付ける結果だ」と強調した。
位置づけ議論 始まりは20世紀半ば?
「人新世」という言葉は、オゾン層破壊の研究などでノーベル化学賞を受賞したパウル・クルッツェン氏(今年1月死去)が、00年に提唱した。
地球の歴史は、地質の違いなどを基に地質時代として区分されている。「古生代」「中生代」など大きな区分の下に、恐竜が地上を支配した「ジュラ紀」などがあり、さらに細かい100超の区分がある。新生代の開始は、巨大
では、人新世はいつ始まったと考えればいいのだろうか。農耕の開始時点や、産業革命が起きた18世紀とする意見もあるが、第2次世界大戦があり工業化や核実験などが本格化した20世紀半ばが有力だ。
ただ、人新世が正式に認められるかは不透明だ。認定には国際地質科学連合の審査と承認が必要だが、現状では4段階ある審査のうち最も下の組織での議論にとどまる。同連合執行理事の北里洋・早稲田大