阪神佐藤輝明内野手(22)が2安打2打点と活躍。日刊スポーツ評論家の里崎智也氏(44)は、前日に放った特大10号本塁打が自身を助ける1発になったと指摘した。

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7日DeNA戦の4回表、右越え本塁打を放つ佐藤輝明
7日DeNA戦の4回表、右越え本塁打を放つ佐藤輝明

佐藤輝のバッティングでの注目は、どのコースに対しても同じスイングをしている点だ。パ・リーグならば西武中村と同じで、なかなかできないことだ。例えば、内角が苦手なら、タイミングの取り方を変えたり、ミートポイントを前にするなど、何とかして合わせようとしたくなる。それが遠因でフォームを崩すことにもつながる。

どのコースにも同じスイングをぶれずに継続できる佐藤輝にとり、前日の一発がひとつの契機になったと感じる。内角高め145キロを右翼上段へ運んだ打撃が自身を助けている。

この日、4回の第3打席はカウント0-2から外寄りのツーシームを中前に運んだ。第3打席は5回2死一、二塁、初球チェンジアップで0-1。続く2球目真ん中へのツーシームを右前に運び、4点目をもたらしている。

4回表阪神2死三塁、先制中前適時打を放つ佐藤輝。投手ロメロ(撮影・野上伸悟)
4回表阪神2死三塁、先制中前適時打を放つ佐藤輝。投手ロメロ(撮影・野上伸悟)

DeNAバッテリーはほとんどインコースを攻めなかった。前日の内角打ちが影響しているからで、反対に佐藤輝からすれば、そうしたバッテリーの思惑を逆手に、外寄りへの比率を高めて待てる。ヒットの確率が上がるという流れになっている。今までの内外角の比率がおよそ7:3ならば、今後は5:5、もしくは4:6で外角が増える傾向も考えられる。

佐藤輝の対右投手の打率が2割5分3厘に対し、対左投手は3割1分。今の野球は「内に速く、外に落とす」という流れの中で、右投手は佐藤輝の内角を厳しく攻めて抑えてきたことが分かる。

私なら内角は一発の危険をはらんでいると理解した上でも、攻めるべきだと感じる。佐藤輝にとっては、今後この試合のような攻め方をされるなら、打率は上昇カーブを描いていく可能性を感じた。(日刊スポーツ評論家)

5回表阪神2死一、二塁、中前適時打を放ちガッツポーズする佐藤輝(撮影・前田充)
5回表阪神2死一、二塁、中前適時打を放ちガッツポーズする佐藤輝(撮影・前田充)