中納さんは昨年の初秋、知人のギャラリーでアーティスト・こばやしゆふさんの椅子と邂逅した。のびやかな風貌から感じ取った、ぬくもりと強さ。その出合いから数日も経たず、本人に会いに行くことになった。その後、食卓には大胆な絵付けの器が並び、うさぎのお面がリビングに飾られたという。
「静岡の海辺で自給自足の暮らしをしながらクリエイションをされていて。椅子や船のオブジェは散歩中に拾った流木で作られたもので、偶然の産物なんですよ。心の赴くままに手を動かし、『創作の瞬間こそが幸せだ』と目をキラキラさせながら話す純真さに胸を打たれ、ひとすじの希望を見ました。ジャンルは違えど、ものをつくる者として自分もこうありたい、と」。「知り合って1年足らずですが、深い部分で共鳴できているのかもしれません。言葉を交わす時間が本当に楽しいんです。私自身は蒐集家ではないのですが、彼女の作るものに囲まれたい、と初めて思えた。あぁ、話していたらまたゆふさんに会いたくなってきました」船のオブジェは玄関とリビングに。高さ60cmほどもある存在感ある2隻。なだらかに湾曲した流木で作られた椅子は「すっぽりと包まれてホッとするから、リビングでの居場所はもっぱらここ」という愛用品。その上に載っているのが女神のオブジェ。マグカップは持ち手が大きくずっしりとした重み。「これでお茶を飲んでいると、心もほぐされます」
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